135ccヨーグルト瓶 135ccヨーグルト瓶 - ソフトヨーグルト系列

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(記事下段)

ソフトヨーグルト (1) (2)

(株)弘乳舎
熊本県熊本市清水町高平1190
大和硝子製
135ml底面陰刻

山鹿牛乳(株)
熊本県山鹿市桜町345
広島硝子工業製
135cc底面陽刻

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<ソフトヨーグルト系列>(弘乳舎)

ヨーグルト系列抗争のなかにあって、認知はトップレベルを誇った著名ブランド。確保は僅か2本、供給源・弘乳舎さんの直販瓶と、同社発祥の地、熊本・山鹿牛乳さんの傍系瓶のみだが、九州から近畿・東海地方まで原液採用メーカーは数多く、“ソフト帝国”の一時代を築き上げていた。

◆前史・「弘乳舎」と「光乳舎」の勃興

創始は古く明治16年、県乳業界の草分け、高木第四郎氏の「弘乳舎」(熊本市鷹匠町)と、同31年に光永松次氏の興した「光乳舎」(熊本市長六橋)、ふたつの牧場・牛乳販売店に遡る。

両舎は戦時の企業統制で熊本合同牛乳(⇒熊本牛乳)に合併。戦後の昭和20年、光永氏は引き続き熊本牛乳の専務取締役を務める傍ら、個人として家業再興を計画。その際、同社長の高木氏より、(自らに再度起業の意志は無いので)是非「弘乳舎」の屋号を継いで欲しいと話があったという。

もとより「光乳舎」の名は先駆である「弘乳舎」を意識したネーミングのはずだ。光永氏は申し出を有り難く受け入れ、「光乳舎」ではなく、言わば二代目の「弘乳舎」を立ち上げるに至った。

◆醗酵乳やアイス、清涼飲料水に注力

新しい弘乳舎は、何しろ経営者自身が熊本牛乳の重役であり、飲用牛乳を取り扱えば正面衝突してしまう。そこで乳酸菌飲料やヨーグルトなど、当時まだ“新顔”の傍系に注力したのだろう。業容・商圏は順調に拡大、往時の広告で確認できる通り、営業は大阪・東京にも及んでいる。

弘乳舎の会社広告(昭和49年)
画像上:弘乳舎の会社広告(昭和49年)

昭和40年代、同じく熊本牛乳に参与していた清涼飲料水メーカーの老舗、松田工業(仔細は熊本牛乳の項に譲る)から、「セーピス」「三菱サイダー」のブランドを譲受、ラインナップはバラエティに富む。

セーピス&松田サイダー (こんなんみっけ)
これもご当地サイダー、幻の「三菱サイダー」を飲む (Excite Bit コネタ)

公式サイト・会社沿革に昭和40年代後期?の製品集合写真が載っており、冷菓、清涼飲料水、大型王冠栓仕様の瓶ジュースほか、多彩なアイテムを確認できる。が、すでにソフトヨーグルトは見当たらない。業務用原液の卸売りは続いていたと思うが、どうも直売は早々に止めたようである。

◆乳酸菌飲料の終息・他社買収による経営変動

近年は経営陣の交代が相次いだ。平成19年、ダイエット食品の製造販売を手掛ける健康コーポレーション(現・RIZAPグループ)に買収され、同子会社に転換。22年、全農連や九州生乳販連など農民資本も入る。

同25年、今度は外食フランチャイズを全国で400店舗以上展開するアスラポート・ダイニングが、株式の9割超を取得、同子会社に変わった。今なお固形ヨーグルトの生産は継続も、ソフトヨーグルトは昭和50〜60年代に終売、乳酸菌飲料(液状ヨーグルト)類の製造は打ち切られて久しい。

弘乳舎を子会社化 アスラポート・ダイニング 取得価額は25億円 (くまもと経済)
社長にアスラポート・ダイニングの檜垣社長 弘乳舎 佐野社長は退任 (同上)

― 参考情報 ―
熊本・弘乳舎八景水谷工場の紙栓 / 同・田中牛乳 / 福岡・友清慶三(弘乳舎)
広島・福山弘乳舎の紙栓 / 滋賀・三宅牛乳店 / 大阪・藤弘食品
弘乳舎岐阜工場の紙栓 / 静岡・東海弘乳舎 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)


135cc瓶のもくじ ハトヨーグルト系列
(東洋発酵乳)
スタームヨーグルト系列
(日本乳酸研究所)
ビオールヨーグルト系列
(スタム栄養科学研究所)

ルナ・ヨーグルトン系列
(日本ルナ/ヨーグルトン乳業)
ソフトヨーグルト系列
(弘乳舎)
ビオグルト系列
(日本ビオグルト)
ビタヨーグルト系列
(日本栄養研究所)

サン/SPヨーグルト系列
(太陽化研/サンヨーグルト)
天洋グルト系列
(天洋社薬品工業)
デラックスヨーグルト系列
(日研乳業)
フジヨーグルト系列
(フジヨーグルト)

スーパーヨーグルト系列
(スーパーヨーグルト研究所)
系列不詳・独立系(1)
(乳業/乳酸菌飲料専業)
系列不詳・独立系(2)
(清涼飲料水/その他メーカー)
系列不詳・独立系(3)
(食品メーカー)

掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測が含まれます(利用上のご注意)。



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