<系列不詳/独立系(3)>(食品メーカー)
「食品会社」謹製のヨーグルト群。掲載の通り多様な銘が、たぶん日産500本くらいの規模で商われていた。大半は閉業も、今なお製造・卸しを営むところが僅かに残る。例えば独特な“ヒメ”マークが目を引く愛媛果汁食品さんは、業務用食材のメーカーとして健在だ。
外見からはどの系統の原液を利用したか分からない。業態に照らせば、多くは半製品(原液)仕入れに頼る商売だったはずだ。なお、「エバーヨーグルト」は複数の工場が同銘展開の系列ブランドだが、原液の供給元が不明で、他社のバリエーションも確保できず、暫定的にこの項へ置いた。
◆厚生省防腐剤添加承認番号について
昭和40年代初期〜中期流通の瓶は、厚生省・防腐剤添加の承認番号を付記するものが多い(紙キャップに記載の場合もある)。当時の法令で標示が義務付けられたのだろう。ナナヨーグルト堂々の「厚生省承認」は、ネガティブな義務を逆手に取った上手い書き方だ。
石冷のヨーグルト「46ボ〜101号」を例にとると、先頭の数字が所管自治体(北海道から割り当て最南端の鹿児島が46、返還前なので沖縄は無し)、ボは防腐剤の意。末尾の号数は個別の製造者を示す。本特集の掲載は全て鹿児島・46番だが、都道府県ナンバリングの全容は下記の通り。
【1番】北海道、 【2〜7番】東北、 【8〜14番】関東(13番は東京特別区を含む)
【15〜23番】北陸/甲信越/東海、 【24〜30番】近畿、 【31〜35番】中国、 【36〜39番】四国
【40〜46番】九州、 【47番以降】政令指定都市(48番・名古屋市、50番・大阪市など)
※古い紙栓の記載などを集約の結果・牛乳キャップ収集家kazagasira氏の調べによる |
地域番号は発売元の所在とは限らない。東京都町田市・エーミ乳業の乳酸菌飲料「羽車」キャップには「防27ボ-9」とある。東京のボトリング工場でなく「原液メーカー」の所在(大阪府寝屋川市・近畿乳酸菌飲料事業協同組合の統一ブランド「羽車」)を反映したケースだ。