これらの瓶が流通した昭和30〜40年代は、牛乳とともに乳酸菌飲料やヨーグルトの存在が脚光を浴び、本格的な普及を成し遂げた一大成長期。ピーク時には2,000余の事業者が参入、様々なブランドが乱立も、ブームが去って廃業・撤退相次ぎ、大半は泡沫銘柄として淘汰されてしまった。
ヤクルト類似品(多くは小瓶・容量90cc以下)は、さながら戦国時代の様相。大手乳業はもちろん、アミトール、ヤクトール、ハミルト、カーラ、ピロン、ケルン、カルミー、ミルシー、スターム、エリス、エルビー、ヨーグルトン、パルン、ピロビタン等の亜流が群雄割拠、そのブランドを全国区にすべく営業を競い合った。
本項に掲載の瓶は、西日本、とりわけ九州地方で盛んに売り出された135cc詰め「自称ヨーグルト」群。ヨーグルトを名乗るが固形ではなく、「乳酸菌」云々の添え書き通り、ほとんど乳酸菌飲料(飲むヨーグルト)だ。10年ほど続いたヨーグルト・バブルの夢の跡である。