<ビオールヨーグルト系列>(スタム栄養科学研究所)
まるで特撮映画の秘密基地みたいな事業者名。何を作っていたかと言うと、まあ普通の「飲むヨーグルト」なわけで、拍子抜け感は否めない。掲載の系列3銘柄は原液を仕入れ・希釈販売した“末端構成員”。本拠地・供給元たるスタム栄養科学研究所は、福岡県(福岡市塩原木の坪)にあった。
遡ること昭和10年、同じく福岡で代田保護菌研究所(現・ヤクルト本社)が発足、乳酸菌飲料ブームに先鞭をつけた。これにあやかって「○○研究所」を名乗り、同種の醗酵乳を商う会社が全国に勃興している。
◆スタム・ビオールの由来
「スタム」は「スターター」(種菌)から転じた、希釈前の「ヤクルト原液」を指す原料製品の呼称。スタム栄養化学さんも最初はヤクルトのボトリング工場運営に始まり、後に独立したものか(⇒関連:スタームヨーグルト)。統一商標らしい天使のロゴマークを囲むのは、謎めいた英単語群。
STAMM(スタム)―ACIDOPHILUS(アシドフィルス菌)―BULGARICUS(ブルガリア菌)―SAB!
製品名の“biol(ビオール)”は、一般にbiology、biological、biologistの省略形。研究所発のヨーグルトたる所以だろう。木の坪で行われていた、秘密の醗酵科學研究の全容に、いつか迫ってみたい。
― 関連情報 ―
ビタビオール東部支所・加藤志敏の紙栓 (もぐら)