寺山牛乳 (1)寺山牛乳 (1) 寺山牛乳 (2)寺山牛乳 (2)
寺山牛乳 (1)

寺山牧場
岡山県都窪郡早島町前潟870
徳永硝子製・180c.c.側面陽刻
昭和20年代後期〜30年代初期
寺山牛乳 (2)

寺山牧場
岡山県都窪郡早島町前潟870
日本硝子S30年製・市乳180c.c.底面陰刻
昭和30年代初期

寺山牛乳 (3)寺山牛乳 (3) 寺山牛乳 (4)寺山牛乳 (4)
寺山牛乳 (3)

寺山乳業(有)
岡山県都窪郡早島町前潟870
日本硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期
寺山牛乳 (4)

寺山乳業(株)
岡山県都窪郡早島町前潟870
広島硝子工業製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期〜後期

寺山牛乳 (5)寺山牛乳 (5) 寺山牛乳 (6)寺山牛乳 (6)
寺山牛乳 (5)

寺山乳業(株)
岡山県都窪郡早島町前潟870
山村硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代後期〜40年代初期
寺山牛乳 (6)

寺山乳業(株)
岡山県都窪郡早島町前潟870
大和硝子製・180cc側面陽刻
昭和40年代初期〜中期

郡部・周辺市域に商われた、往年のローカル銘柄。生産量は県下中堅規模、乳製品に加えジュース類も売り出し、一帯では名の通ったブランドだった。昭和49年前後に製造より撤退。以降は四国乳業(らくれん牛乳)ほか各社のベンダーに転換されている。

沿革不詳ながら、明治37年の広告に早島町前潟・寺山喜次郎氏のお名前が見え、さらに同43年の溝手家出納簿に「寺山和三郎牛乳店」へ代金支払いの記録も残る。郡下に搾乳業者が増えたのは日露戦争後。発祥はその頃かも知れない。

都窪郡・児島郡の牛乳屋さん連名の広告ビラ(明治37年)
画像上:都窪郡・児島郡の牛乳屋さん連名の広告ビラ(明治37年)…[早島の歴史2(通史編・下)]より。早島町大字前潟・寺山喜次郎氏が載っている。いっぽう[都窪郡治誌]によると、町内の先駆は「下村搾乳場」らしいが、この広告には無い。

◆らくれん牛乳販売店として

病院の売店に飲み物を卸す業者さん・名物おしどり夫婦―岡山で医療・介護事業を行う創和会の広報誌「はぁもにぃ」(2003年11月号)に、寺山氏ご夫妻のインタビュー記事が掲載されており、晩年の業態が良く分かった。

牛乳は宅配や学校給食向けに仕入れを続けているが、若い人はスーパーで買うため出荷はかなり減り、昔馴染みの得意先が中心。売れ筋は売店と自販機のお茶で、「十六茶」「生茶」が多い…など、様変わりしたご商売の現況に触れている。

寺山乳業は「らくれん寺山営業所」「らくれん牛乳倉敷営業所」の看板で長らく販社を営んだのち、平成17〜18年頃、完全に店仕舞い、廃業へ至った。

◆新旧6世代の瓶装

かつて用いられた自社ブランドの印刷瓶は、昭和20年代後期〜40年代中期までの、ひと通りの世代を確保。デザインや標示内容の変遷を辿ることができ、興味深い。

細身細口・王冠栓仕様の(1)番瓶は、ウルトラプロセスを遥かに超える「115℃-15分殺菌」。瓶詰め牛乳を丸ごと蒸気釜に入れ、加熱殺菌する古い方式。必然的に高温度・長時間となる。昭和30年代初期まで、主に鉄道・駅売りに残ったタイプだ。

「一歩進んだ」(2)番が、初代の広口(ドイツ型中口)印刷瓶だろう。宣伝欄の前口上が愉しい。(3)番で有限会社化。同時代の紙栓には「80℃15分間殺菌」とあった。つまり「高速度低温殺菌」はHTLT採用の意。現今の中温殺菌に該当する。

株式会社へ改組した(4)番以降は、界隈で主流になったUHT(超高温瞬間殺菌)に追随しなかったため?殺菌温度に係る宣伝を消したようだ。

◆岡山県牛乳処理協同組合

(5)番瓶に登場する「岡山県牛乳処理協同組合」(K乳)は、県下複数の中小メーカーが昭和41年頃に設立した業界団体。合理化を求める政府の酪農政策に応じ、加盟各社の原料乳調達を一本化したものらしい。

メンバーは本項の寺山牛乳さんと、梶原牛乳(岡山市)、はりの牛乳(西大寺市)、浜田牛乳(倉敷市)、沼本牛乳(吉備郡)さんなど多数。各社とも“K乳”ロゴを瓶にあしらった時期がある。ただ組合は役割を終え、平成期に解散済みと見られる。

(6)番の八角瓶が販社転換の直前、最終世代。ローマ字筆記体への変更で、だいぶ印象が違う。長く残った“HOMOGE”(ホモジナイズ)標示も消えた。この瓶は白牛乳200cc移行後の、色物専用と思しき風情もあるのだが、参考までに掲載する。

― 関連情報 ―
寺山牛乳の紙栓 / 同・宅配受箱(1) / 同・(2) / 同・(3)
Hi-C瓶発見 / 寺山ドリンク瓶里還り (ジャンボフェニックス)
同・紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 同・宅配受箱 (むにゅ’s のぉと)


創業> 不明ながら明治中期〜後期
昭09> 寺山庄次郎/岡山県都窪郡早島町
設立> 昭和31年、寺山乳業(有)として
昭31> 寺山乳業(有)・寺山武雄/岡山県都窪郡早島町前潟
昭34〜48> 寺山乳業(有)/岡山県都窪郡早島町前潟870
電話帳掲載> らくれん牛乳倉敷営業所/同上 ※当時
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 昭和49年前後
廃業> 平成17〜18年頃?
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成19年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



漂流乳業