佐野牛乳佐野牛乳

(記事下段)

佐野牛乳

佐野牛乳処理所
静岡県富士市本市場244
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期〜後期

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旧村の老舗、恐らくは30〜40年間に渡り商われた、県東部のローカル銘柄。「牧場経営の新鮮な…」素朴なキャッチとホモジ・均質の強調標示が古きを伝える一本。所在は富士山のふもと、山影に乳房の張った見事な体躯のホルスタインを描く。

創始は少なくとも戦前まで遡る。昭和30〜40年代の牛乳工場名簿上では消滅と復活を繰り返し、40年代後期に製造撤退(販売店へ転換)のようすを窺えるが、実態に即した記録かどうか分からない。現在、牧場・工場の跡地と思しき所には、お好み焼き屋さん「さの路」が建つ。

ビンの背面・下段に枠を設けて広告を打つフォーマットは、森永牛乳(1)番瓶が初めて?採用。一種の流行デザインだったらしく、広島の廣島牛乳砂谷牛乳、岐阜・大垣牛乳、岡山・寺山牛乳、福岡・八女牛乳ほか、全国のメーカーに類例を確認できる。


創業> 不明
昭09> 佐野聯平/静岡県富士郡加島村本市場
             ※昭和4年に加島村は町制施行で富士町、29年に合併で富士市となっている
昭31> 佐野牛乳処理場・佐野嘉一郎/静岡県富士市本市場244
昭34〜36> 掲載なし
昭39〜40> 佐野牛乳処理所/同上
昭41〜43> 掲載なし
昭44〜46> 佐野牛乳/同上
電話帳掲載> 佐野牛乳店/同上 ※昭和52年時点
                   さの路/静岡県富士市本市場244-2
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 昭和40年代後期?
廃業> 平成初期?
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成24年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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