<明治製品のいろいろ・びん肩口へのリボン印刷>
[明治乳業70年史]往時の技術課長さん回顧によると、「それまで市乳の瓶が製造工程および輸送中に擦れあって傷がつきやすく、どんどん廃棄せざるを得なかったのを、最も傷のつきやすい瓶の肩の部分にデザインとして塗料を焼き付け、意匠登録を申請・認可。結果、当社が15年間独占で瓶の回転率を向上させた」という。
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画像上:明治乳業・工場見学者向けのパンフレット/瓶詰め製品の一覧(昭和42〜43年頃) |
言及の「15年間」はデザイン変遷から推すに、(2)(3)番瓶の流通期間が該当か。明治の牛乳瓶はその後一貫して、肩口保護のレイアウトが続く。200cc移行時には肩の膨らみ位置が変わったので、標示全体を上にずらしている。
◆コーヒーにフルーツ、よいこ牛乳、ビタとゴールド
定番のコーヒー牛乳は昭和31年(系列下の大阪保証牛乳が先行発売)、フルーツ牛乳が同33年の売り出し。上掲のパンフレットにラインナップされる「明治よいこ牛乳」は、糖分添加/ビタミン・ミネラル強化系の乳飲料。子供がいる家庭への宅配拡張を狙い、昭和39年から数年間展開したものらしい。
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画像上:ビタ明治/明治ビタ牛乳のご試飲券・左は昭和43年頃までの専用四角瓶、その後表示規約変更で右の共通瓶に切り替わった。 |
初めての栄養強化系加工乳「ネオ明治牛乳」は昭和27年発売、後継の「ビタ明治牛乳」登場が同29年。王貞治氏がイメージキャラクターを務めた「ゴールド明治牛乳」は昭和32年。いずれも当初は専用四角瓶装で、上掲および下段のパンフレットに載っている。間もなく明治ビタ牛乳・明治ゴールド牛乳と改題した。
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画像上:明治乳業・工場見学者向けのパンフレット/牛乳など製品の一覧(昭和30年代後期) |
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画像上:明治乳業の製品集合写真(昭和52年頃)…[明治乳業60年の歩み]より。 |
変り種として、ガンジー種(⇒関連:コーシン牛乳)の生乳を用いた「明治ガーンジー牛乳(ガンヂー明治牛乳)」があった。昔は森永も「森永J牛乳」の呼称でジャージー種オンリーの製品を出している(両社とも昭和30年代初期〜中期に廃止)。搾乳量に優れたホルスタイン全盛の昨今とは異なり、大手がそんな商品を展開した、面白い時代だ。
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