川並牛乳川並牛乳

(記事下段)

川並牛乳

川並牧場
滋賀県神崎郡五個荘町大字石塚68
東洋ガラス製・正200cc側面陽刻
昭和50年代中期〜平成5年頃

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近江商人発祥の町、五個荘の地場乳業さん。「川並」は過去所在の地名に由来。掲載瓶は丸に三つ柏の家紋をデンと据えた、迫力の一本。恐らくは創業100年に迫る長い歴史を誇ったが、平成20年前後に店仕舞い、ブランドは消滅している。

キャップコレクター諸氏の捕捉率は高いものの、現役当時を伝える情報はあまり多くない。ご当地にはミルクプラント(の一部?)や、通りに面した「川並牧場」の看板が今も残る。

◆塚本家との交流・キリスト教の信仰

牧場の創始者・北川氏はかつて、勝海舟が絶賛した地元の豪商・塚本家(塚本定右衛門、現・ツカモトコーポレーション)の奉公人として働いたことがあり、また、キリスト教の信徒さんだったらしく、往時には以下のような挿話があった。

再度の来日を果たしたニコルソン師は、全国各地を旅行する時、WEC宣教の拠点となる所を探しました。近江兄弟社を訪れた時、以前から懇意であった塚本先生との関わりもあり、川並牧場の北川さんの仲介で、今の本部の家の購入話しが進みました。
(⇒五個荘で1000人がクリスマスに!/東近江キリスト福音教会)

余談ながら、戦後のキリスト教伝道・入植に係る牧場創設、クリスチャンの乳業起業は全国に散見される。現存はキープ協会(山梨)や愛知兄弟社(愛知)、白水舎牧場(宮崎)さんら。国際基督教大学(東京)や三愛牛乳(熊本)さんの例もあった。

― 関連情報 ―
川並牧場の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 五個荘の木製牛乳箱 (yume_cafe)
川並牧場の牛乳箱 (大阪 アホげな小発見。とか)


創業> 不明
大15〜昭09> 北川英三/滋賀県神崎郡南五ヶ荘村大字川並
昭30> 南五個荘村は周辺町村と合併し、五個荘町となる
昭31> 川並牧場・北川英三/滋賀県神崎郡五個荘町石塚67
昭34> 同上/滋賀県神崎郡五個荘町石塚字忠堂68
昭36〜44> 同上/滋賀県神崎郡五個荘町石塚68
昭46〜53> 川並牧場/滋賀県神崎郡五個荘町大字石塚68
昭56〜61> 同上/滋賀県神崎郡五個荘町石塚71-2
昭62〜平13> 同上/滋賀県神崎郡五個荘町石塚68
平17> 五個荘町は周辺市町と合併し、東近江市となる
電話帳掲載> 同上/滋賀県東近江市五個荘石塚町68 ※平成17年時点
廃業> 平成20年前後
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、[滋賀県乳牛畜産組合報]・牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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