錦栄舎牛乳錦栄舎牛乳

(記事下段)

錦栄舎牛乳

(有)錦栄舎
静岡県三島市谷田177
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期〜後期

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沿革不詳ながら市域に数十年商われた、県東部のローカル銘柄。昭和49年前後に自家処理を中止され、ブランドは消滅。屋号「錦栄舎」は三島市成立以前の古い地名、所在の「錦田村」に因んだ(一字を取った)ものと思うが、定かでない。

工場の閉鎖後も乳類販売事業は継続。まずは森永牛乳錦栄舎販売店に転じ、のち竹本乳販、平成期にはタケモトミルクコーポレーションへ発展。現在2支店を擁し、森永・雪メグ名糖ほか大手の諸製品を取り次ぐマルチベンダーさんとなっている。

◆三島市の酪農・乳業事情

一帯は大正中期〜昭和初期に、乳製品工業が躍進したところ。もちろんその背景には先駆者の畜産振興、酪農普及の過程がある。戦前は主に森永系列の練乳工場が生乳増産を後押し、戦後は雪印の進出著しく、中小メーカーの統廃合が進んだ。

本項の錦栄舎さんは森永をパートナーに選んだわけだが、宮倉町の松田商事・三島工場(松田牛乳)は、昭和37年前後に明治牛乳の請け売りに転換。

二日町の大進舎乳業は33年に雪印と提携、間もなく三島雪印牛乳を立ち上げ。39年に至り大進舎の傍系・土屋乳業も合流。静岡雪印牛乳(株)となり、東本町に新工場を置く。様々な流転を経て、最後はカゴメ(カゴメラビオ)の経営だった(平成23年閉鎖)。

― 関連情報 ―
錦栄舎牛乳の宅配受け箱 (牛乳トラベラー)
同・ノベルティーコップ (牛乳グラス☆コレクション)


創業> 不明ながら戦後?
昭31> 錦栄舎・渡辺太一/静岡県三島市谷田177
昭34〜48> 錦栄舎(錦栄舎牛乳)/同上 ※時期により170番地とも
昭53> 森永牛乳錦栄舎販売店として新装開業
昭62> 店名を竹本乳販と改称
平20> タケモトミルクコーポレーション(株)を設立

電話帳掲載> 同上 ※昭和55年時点
                   タケモトミルクコーポレーション(株)/静岡県三島市谷田1637-10
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 昭和49年前後?
公式サイト> https://www.takemotomilk.co.jp/web/ (タケモトミルク)

処理業者名と所在地は、全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成30年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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