県東部の旧・志度町(現・さぬき市)界隈に、戦後10年ほど商われたローカルブランド。昭和37年前後に自家処理より撤退され、独自銘柄は消滅。以降は毎日牛乳の販売店さんとなり、平成に入る頃まで営業続行も、現在は完全に廃業されている。
ベンダー転換の契機は大手資本の県下進出だった。昭和34年、関西酪農協同(毎日牛乳)が香川県乳業農協連(善通寺市)の事業を買収し香川工場を設置。翌35年に森永乳業は玉屋乳業(高松市)を提携工場とし、このころ地元中小業者の傘下入りが相次いだ。
掲載瓶は往年のオリジナル。所在の地名「鴨庄」に因んだ鴨のトレードマークが異色。鳥取の鴨川牛乳さんなど類例もあるが、商標に採用される鳥類は基本的にハトが多く、珍しい感じだ。