大城牛乳(大城健盛)大城牛乳(大城健盛)

(記事下段)

大城牛乳

大城牛乳(大城健盛)
沖縄県糸満市字座波233
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和60年代〜平成初期

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沿革不詳ながら市域に60年以上商われた、沖縄本島南端のローカル銘柄。往時のラインナップは牛乳、コーヒー、ココアに加え、沖縄らしい玄米(ゲンマイ)の4種。すべてビン詰めで取り揃え、宅配以外の小売りルートもあり、キャップコレクター諸氏の捕捉率も比較的高かった。

しかし平成19年、製造機器の老朽化・故障?に端を発し、運営困難となって廃業、ブランドは消滅。かなり急な話で、宅配先にも事前告知はなかったようだ(⇒大城牛乳倒産?/ず@沖縄))。販路の多くは同じ市内にある宮平乳業さんが引き継がれたという。

◆掲載瓶と県下複数の「大城牛乳」について

掲載は昭和末期に流通の一本。デザインフォーマットは、かつて県下の中小乳業さんらが結成した「沖乳連会」統一瓶装の流れを汲む。知名牛乳東恩納牛乳石川牛乳さんほか、加盟10社を超す団体で、大城牛乳さんも過去所属していたのだろう。

平成に入って間もなく、可愛い牛さんのイラストを前面にあしらった後継瓶装に移行。大きく書かれた「健」の字は、ご当主・大城健盛氏のお名前から。沖縄には同姓(ご親族)の別メーカーが多く、その区別のため自身の名前を屋号として明記するケースが散見される。

戦前は同じ糸満町に大城眞蒲氏の牛乳屋さん(関係不詳)を含めて7件の「大城牛乳」があり、戦後も大城太郎氏(豊見城村)、大城孔賢氏(南風原村)のミルクプラントが操業していた。いずれも距離的に近く、商い銘柄や客の認知は混ざりがち…だったのではと思う。

― 参考情報 ―
有限会社 大城牛乳 (糸満市商工会)
大城牛乳の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 同・紙栓 (牛乳キャップとは?)


創業> 不明
昭09> 大城眞蒲/沖縄県島尻郡兼城村字座波1194 ※関連不詳
昭36> 兼城村は周辺3町村と合併し糸満町となる
昭46> 大城健盛/沖縄県島尻郡糸満町字座波
昭46> 糸満町は市制施行する
昭48〜平13> 大城牛乳/沖縄県糸満市字座波233
電話帳掲載> 同上 ※平成17年時点
廃業> 平成19年
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、[沖縄県農林水産行政史 第5巻]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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