沿革不詳ながら市域に約70年ほど商われた、沖縄本島南端のローカル銘柄。西平は「にしんだ」と読む。販路は家庭宅配が中心、昭和55年頃まで牛舎併設の一貫処理をされていたようだ。しかし現役当時を伝える情報は少ない。
ミルクプラントを閉じて以降も電話帳への掲載は途絶えず、なお昭和の終わり頃まで営業は続いている。近在の宮平牛乳さんへ処理・瓶詰めを委託する格好で存続した可能性はありそうだ。糸満にはそうした業態の小規模ブランドがいくつかあった。
しめ縄で囲まれた「沖乳」マークは、「沖乳連会」(沖縄乳業連合会?)参画メーカーの証。昭和40年代から平成に至るまで、県下の中小業者さんらが掲げていた共通シンボル。知名牛乳や東恩納牛乳、石川牛乳さんほか、加盟10社を超す互助団体?だった。