筑後牛乳筑後牛乳

(記事下段)

筑後牛乳

田中ミルクプラント
福岡県筑後市江口485
日本硝子S31年製・市乳180c.c.底面陰刻
昭和30年代初期

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沿革不詳ながら戦後のご創業、十数年間に渡って商われた、県南のローカル銘柄。片面だけ見ると、まるで酒瓶。大きな地酒の広告が異彩を放つ一本。松井酒造合名会社「栄世菊」は、三潴郡(現・久留米市三潴町)にあった蔵元だ。

牛乳瓶の宣伝欄には通常、自らの乳製品を列挙するが、往時はこうした異業種広告もあり、ちょっと奇妙な感じ。秋田の雄平牛乳は相互銀行の広告、福岡の八女牛乳には醤油、熊本県の氷川酪農にデパートの広告が載った例もある。

筑後牛乳さんは昭和30年代後期に廃業、ブランドは消滅。間借り広告の栄世菊さんは長く続いたが、平成17年頃には休醸へ至ったらしい。地場乳業に同じく、造り酒屋もかつて全国無数に存在、中小メーカーの淘汰著しく激減の様子が相通ずる。

― 関連情報 ―
城島の古い町並み (古い町並みと集落・酒蔵探訪「一路一会」)
松井酒造(名)・榮世菊の胴ラベル (カンキ堂/昭和の酒ラベルギャラリー)


創業> 不明ながら戦後?
昭31> 田中得太/福岡県筑後市江口485
昭34〜36> 田中ミルクプラント/同上
廃業> 昭和38年前後
電話帳掲載・公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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