シモラク牛乳 (1) シモラク牛乳 (2)シモラク牛乳 (2)
シモラク牛乳 (1)

下関酪農農業協同組合
山口県下関市田中町41
石塚硝子製・市乳180c.c.底面陰刻
昭和30年代初期
シモラク牛乳 (2)

山口県酪農農業協同組合
山口県下関市田中町44
日本硝子製・正180cc側面陽刻
昭和42年前後

発足は昭和24年、防府酪農(防府牛乳)と双璧を成した専門農協さん。のち諸組合の合併で山口県酪に発展、今や県を代表する農系メーカーだ。

商い始めは掲載の「シモラク牛乳」、昭和50年代に主力を「酪農牛乳」に転換。平成期、やまぐち県酪乳業(株)を設立、処理・販売部門を企業化した。(2)番瓶の“ベルちゃん”は、昭和42年に登場の現役マスコットである。(⇒ロゴマークの変遷/ベルちゃん図鑑)

全製品の集合写真(平成10年頃) 工場見学で牛乳を飲む児童(平成10年頃)
下関市の公式サイトに過去掲載されていた、全製品の集合ポスターと工場見学で牛乳を飲む児童の写真(⇒やまぐち県酪/IAキャッシュ)。200cc時代の瓶装が見える。平成10年頃の様子らしい。


ひと頃は露出の減ったベルちゃんだが、近年の販促展開で復調。地元の古い販売店や宅配受箱に往時の姿も残る。軽量新瓶の採用など幾度かの世代交代を乗り越え、ベルちゃんはなお健在。特に「給食牛乳」専用ビンが可愛らしい。

廃盤になった牛乳ビンをいただきました (愛しの牛乳パック)
学校給食用のビン牛乳の容器が新しくなりました (やまぐち県酪乳業)

◆戦後の下関に酪農組合を興す

創設者のひとり、小嶋武雄氏は豊浦郡菊川町の生まれ。戦時は陸軍士官学校に在籍、終戦を迎えて帰郷。旧態然とした農村の活性化と、国民の食生活改善を期して酪農に着眼。まずは先進地である千葉・静岡に赴き、牛飼いの基礎を学んだ。

昭和22年頃、町に戻って自ら牧場を拓き、搾乳業に臨む。当初は下関市内のメーカーに生乳出荷も、夏季消費の旺盛に比べ、冬場は一転、納入拒否が相次ぐ。

需給ギャップの克服には、生産規模拡大・工場経営が必須の結論に至り、浅野理勝氏(初代組合長)ら有志一同と下関酪農農協を結成。ここに「シモラク牛乳」が生まれた。

◆山口県酪の成立・市場シェアの過半に達す

日量4千本のスタートは、十数年の奮闘で60倍に。九州乳業(みどり牛乳)へも出資参画。商売は堅調も、群雄割拠の時代は終焉、業界に統廃合の波が押し寄せた。

昭和40年、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(不足払い法)の制定に応じ、県当局は関係組合の集約を図る。翌41年、下関酪農を中核に、周東/周防/光の3酪連と、山口/厚狭/長門/川東の4酪農協が合併、山口県酪農農協が発足した。

防府エリアを始め、集約に批判的だった組合の幾つかは参加を見送り(後年に合流/協業)、県単一の酪農協は成らなかった。それでも山口県酪は県下シェア6〜7割に達する堂々の中心工場であり、以後確固たる地位を築いていく。

◆再編合理化で工場統合・新会社の設立

近年の乳業施設再編合理化では、長らく独立路線を保った防府酪農、光市・ヒカリ乳業、下松市・内山乳業さんらと合同し、やまぐち県酪乳業(株)を設立。平成12年より同新工場での一括処理となり、各社旧来のミルクプラントは閉鎖された。

公式サイトの商品案内は、山口県酪のラインナップのみ。製造部門を統合した防府牛乳やヒカリ牛乳ほか、受託処理のアイテムは未掲載ながら、別途現存する。なお、市販のビン製品は、大瓶を除いてプラ栓・無地の軽量新瓶に移行済みだ。

― 関連情報 ―
山口県酪農農協の紙栓(1) / 同・(2) (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
やまぐち県酪乳業の紙パック製品 (愛しの牛乳パック)
やまぐち県酪新工場稼動開始 (やまぐち畜産ひろば)
西日本畜産学会報 Vol.13-山口県の畜産事情 (J-STAGE)


設立> 昭和24年、下関酪農農業協同組合として
昭26> 後田町から田中町に工場を移転
昭31〜34> 下関市酪農農業協同組合/山口県下関市田中町
昭36> 下関酪農農業協同組合/山口県下関市田中町41
昭39〜40> 同上/山口県下関市田中町44
昭41> 下酪を中心に3酪連・4酪農協が合併、山口県酪農農業協同組合となる
昭41〜44> 同上 ※組織変更を反映せず
昭46> 山口県酪農農業協同組合/山口県下関市田中町41
昭47〜平10> 同上/山口県下関市田中町3-4
平11> やまぐち県酪乳業(株)を設立、農協から処理・販売部門を分離
平12> 豊浦郡菊川町に工場を新設・移転

電話帳掲載> 同上/山口県下関市菊川町大字久野556-3
独自銘柄廃止> 「シモラク」銘は昭和40年代に縮小、以降は「酪農牛乳」が主流
公式サイト> http://www.yamaraku.co.jp/ (やまぐち県酪乳業)

処理業者名と所在地は、全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成19年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



漂流乳業