市川牛乳 (1)市川牛乳 (1) 市川牛乳 (2)市川牛乳 (2)
市川牛乳 (1)

市川牛乳店
静岡県磐田郡豊田村加茂西397
東洋ガラス製・正200cc側面陽刻
昭和45年頃〜廃業まで
市川牛乳 (2)

市川牛乳店
静岡県磐田郡豊田村加茂西397
東洋ガラス製・正200cc側面陽刻
昭和45年頃〜廃業まで

市川牛乳 (3)市川牛乳 (3) 市川牛乳 (4)市川牛乳 (4)
市川牛乳 (3)

市川牛乳店
静岡県磐田郡豊田町加茂1090
石塚硝子製・正200cc側面陽刻
昭和50年代中期〜廃業まで
市川牛乳 (4)

市川牛乳店
静岡県磐田郡豊田町加茂1090
東洋ガラス製・正180cc側面陽刻
昭和50年代後期〜廃業まで

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沿革不詳ながら、少なくとも戦前より郡村に商い、80年以上の歴史を刻んだ県西部のローカル銘柄。平成22年に廃業され、ブランドは消滅。最後まで牧場併設の自家搾乳。Googleストリートビューにも草地に寛ぐ乳牛の姿が写っていた。

取り扱いは古今を通じて白牛乳のみ。上掲の各種瓶装は、使える状態ならば特に区別せず、廃業時まで全部並行利用していたそうだ。処理量・販路は限定的で、晩年は恐らく宅配専門。現役時代を伝える情報はあまり多くない。

◆加茂と見付、ふたつの市川牧場さん

掲載は磐田市加茂(旧・豊田町)の市川牧場さん(市川光雄氏⇒玉雄氏)が使ったビン。いっぽう3〜4kmほど離れた磐田市見付(旧・河原町)には、ご兄弟/ご親戚筋と思しき同名の市川牧場さん(市川光次氏)のミルクプラントも操業していた。

後者は戦後の創始。古い牛乳キャップを見ると、定番の白牛乳を「グローリアス」という珍しい呼称で展開。その他コーヒーなどの色物や、乳酸菌飲料も作っていたと分かる。

◆掲載ビン・同族拠点の共用について

「グローリアス」の紙栓は、掲載瓶と良く似たデザインだった。加茂・見付の両拠点が健在の往時、ビンは同じものを一括調達で賄ったかも知れない。山形・ゴトウ牛乳や岡山・長谷川牧場、宮崎/鹿児島・久保田牛乳さんほか、全国にそうした例がある。

見付側は平成10年頃に製造を中止。以降、たぶん大手メーカーの請け売りではなく、加茂側の「市川牛乳」を移送してもらい販売続行…と思われるが、経過は不詳。前記の通り、平成22年の加茂側廃業に同期して、店仕舞いとなったようだ。

― 謝辞 ―
市川牛乳さんの仔細ほか、牛乳トラベラー様にご教授・ご協力頂きました。

― 関連情報 ―
市川牧場(加茂)の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
静岡県の牛乳キャップ (牛乳キャップ収集と販売情報)


■市川牛乳(豊田村・光雄氏⇒玉雄氏)
創業> 不明
昭09> 市川玉次郎/静岡県磐田郡富岡村加茂西
昭30> 富岡村は隣村と合併し、豊田村となる
昭31> 市川牛乳店・市川光雄/静岡県磐田郡豊田村加茂西397
昭34〜53> 市川牛乳(市川牛乳店)/同上 ※昭和48年に豊田村は町制施行も未反映
昭56〜平13> 同上/静岡県磐田郡豊田町加茂1090
平17> 磐田郡は周辺市町村と合併し、磐田市となる
電話帳掲載> 同上/静岡県磐田市加茂1090 ※平成19年時点
廃業> 平成22年
公式サイト> 未確認

■市川牧場(河原町・光次氏)
創業> 不明ながら戦後?
昭31> 市川牧場・市川光次/静岡県磐田市河原町3949
昭34〜58> 市川牧場/同上
昭59〜62> 同上/静岡県磐田市河原町3949-34
昭63〜平04> 同上/静岡県磐田市見付3949-34
電話帳掲載> 市川牛乳/同上 ※平成19年時点
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 平成10年前後?
廃業> 平成22年頃?
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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