当地の組合が短期間・断続的に商った、幻の?ローカル銘柄。戦後間もなくの設立から10年を経た昭和33年、満を持して「岩中酪牛乳」発売に至るも、2年後には森永乳業へ営業権を譲渡。独自ブランドは一旦消滅している。
もともと岩手中央酪農さんは、生乳出荷を通じて森永と取引関係があった。昭和35年は同社が盛岡に進出、市乳販売を始めた時期とも重なる。道を譲った、という感じだろう。
◆第二期「岩中酪牛乳」の展開
以降、永らく生乳出荷・信用事業に専念のところ、平成3年、約30年ぶりに「岩中酪牛乳」の販売を再開。掲載はこの頃の一本。往時より自営ミルクプラントは持たず、製造は他社へ委託。第二期は花巻市の大石乳業さんが請け負っていた。
経過不詳ながら第二期は5〜7年で終了、終売。ジャパンミルク東北(株)への出資参画(平成8年)、二戸酪農協との合併(同12年)、この辺りの動きが影響したかも知れない。
果たして第三期は来るのか。もっとも公式サイトに「岩中酪牛乳」の展開中止は告知されておらず、酪農振興イベントなど、記念的な場での頒布を実施の可能性はありそうだ。
◆掲載瓶「Quality of Iwate」について
瓶の背面には、平成4年に県牛乳普及協会が制定した、「県産牛乳ブランドマーク」(Quality of Iwate)を標示。岩手の乳製品メーカーが、県産生乳100%使用をアピールするもののようである。(⇒不二家乳業「岩手3.8酪農牛乳」/愛しの牛乳パック)
― 関連情報 ―
岩中酪牛乳の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
盛岡の地中から発見されたガラス瓶 (盛岡市遺跡の学び館)