花巻温泉のほど近くに工場を構える、現役の地場乳業さん。今なおビン製品は健在、オンラインショップで取り寄せも可能。自社ブランドは白牛乳、コーヒー、ヨーグルトの3種。そのほか八重樫農場や川徳牧場(やぎのミルク)の受託アイテムがある。
創業は昭和4年。永らくの個人経営を経て、昭和40年代に法人化(有限会社)、平成に至って株式会社へ改組された。前社長の大石満雄氏は、旧花巻市議を3期約10年、のち花巻市長を2期8年に渡って務めた政治家の顔も持つ。
所在の変遷を辿ると、古くは「大畑第一地割41」、移転後?の現在地は「湯本第三地割36」。岩手らしい開拓地然とした地名が目を引く。「1-41」や「3-36」と省略されがちだが、県下に多く残る正式な住所区分で、「字」に相当するらしい。
◆掲載びん・湯本鹿踊や宮沢賢治のバリエーション
歴代の印刷瓶装はオーソドックスな「大石」赤瓶から「はなまき」緑瓶、そして現行の「イーハトーヴ」標示のもの、大別して3世代。200cc瓶は未見、上掲の9本とも一合瓶だ。たぶん瓶詰めはずっとこの容量、学乳(200ml必須)は紙パックで対応と思う。
緑瓶のイラストは花巻の伝統芸能・鹿踊(湯本鹿踊)、世代を重ねるごとにパワーアップ。毛筆書体「はなまき」を力強く前面にあしらい、地場産品アピールは万全の構え。最終的には宮沢賢治の童話世界をイメージした、フクロウの絵になった。
切り換えは改組・改称に同期する感じだ。紙栓の刷り色も瓶に合わせて赤→緑→青と変わっている。(8)(9)番瓶は平成期の登壇ながら、参考までに全て掲載した。
― 参考情報 ―
大石乳業の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 大石乳業 (乳業探訪記)
大石乳業 (花巻地域産業情報BOX) / ホテル花巻 瓶牛乳自販機 (懐かし自販機)
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