往年の市域に商われた、会津北部・喜多方のローカル銘柄。沿革不詳ながら創業は戦前、屋号を「長命舎」と称した。昭和35年前後に自家処理より撤退、以降は他社ブランド取り扱いの販売店に転じ、同50年代中期まで営業されていたようだ。
合併前の喜多方町には他にも相田牛乳店、会津厚生舎、県立喜多方高校(農業科)のミルクプラントが存在したが、本項の小堀さん方が一番の老舗だったと思われる。
かつて耶麻郡下の畜産は馬が主流で、牛、それも純然たる乳用種となると、数えるほどしかいなかった。戦後、昭和32年に磐梯山麓集約酪農地域の指定を受け、地元に組合もでき弾みがつくが、街の牛乳屋さん、いわゆる搾乳業者の来歴に触れた資料は少ない。