大正元年、その名も大正牧場として創業。以来およそ80年間に渡り、地元の需要を支えた老舗。昭和28年、代替りにともなって?中野牧場と改称。長らくの商いも平成3年に廃業され、銘柄は消滅。奈良市内のミルクプラントは植村牧場さんを残すのみとなった。
旧工場は近年のマンション建設で解体済み。しかし一帯には、今なお多くの宅配木箱が軒先に留め置かれており、昔日の盛況ぶりを伝えている。
◆牛乳工場が激減した奈良県
奈良県は中小メーカーの淘汰が早期進行したエリア。昭和30年代中期の約60社が、同40年では16社に激減。平成まで存続した市乳工場は、わずか5軒に過ぎない。
奈良市内に限ってみると、戦後最盛期は本項の中野牧場と、県下最古の植村牧場に加え、立石牧場/立石乳業(奈良坂町/北半田東町)、押熊牧場/梅森牧場(押熊町)、上田ミルクプラント(菅原町)、奈良ミルクプラント(西笹鉾町)の6軒を確認できる。
ところが昭和30年代には、中野・植村さんを除いて全社が撤退。生乳生産・流通上のポテンシャルに乏しいのか、奈良グリコ乳業(添上郡月ヶ瀬村、昭和55年〜平成4年頃まで稼働)の小規模な例外を除き、大手資本の進出も殆どなく、消長が際立っている。
― 謝辞 ―
中野牧場さんの仔細について、kazagasira様よりご教授頂きました。
― 関連情報 ―
中野牛乳の紙栓
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