牧歌的なデザインが愉しい「細谷の牛乳」ビン2世代。沿革仔細は不詳ながら、当地に戦後急増した乳牛飼育・酪農の営みを背景に、昭和20年代中期のご創業と思う。のち40年代中期には廃業され、ブランドは消滅したようだ。
同じ町内に営業した道祖牧場さんとの距離、わずか100メートルほど。中小乳業が林立した往時は、狭いエリアに複数並存は良くあったが、ここまで近い所は珍しい。
◆掲載びん・自家搾乳について
いずれも自家搾乳を明記。大手メーカーに対抗する付加価値の表現か。前記の道祖牧場さんを始め、各地の牧場の瓶に同様の宣伝が見られる。とりわけ中国地方に多い。
(1)番瓶は製瓶会社略号として日本硝子と徳永硝子、双方の打刻をともなう。昭和30年、日本硝子は徳永を吸収合併しており、丁度その頃、移行期の製瓶だろう。後年のビンに比べると、明らかに全体が肉厚・不均等で、ずっしり重たい。