関牛乳関牛乳

(記事下段)

関牛乳

関牛乳(株)
岐阜県関市観音前町41
石塚硝子製・180cc側面陽刻
昭和50年代〜平成5年頃

TwitterFacebookこの牛乳屋さんの記事を共有

昭和13年、吉田牧場として創業。同25年に関牛乳(株)を設立。当地に約80年の歴史を刻むローカル乳業さん。掲載瓶に標示されるパスチャライズ(65℃30分間殺菌)処理を長く手掛けるメーカーで、宅配・学乳・市販を通じ、地元の知名度は高い。

瓶詰めは牛乳、コーヒー、ビタヨーグル、フルーツ(ピーチ)、りんごの5種が健在。かつて同市内に工場を構えた「ひるがの牛乳」(中濃酪農農協⇒北濃酪農農協連⇒美濃酪農農協連)や、隣接する各務原市の「各務原牛乳」の受託製造も行う(※)

※その後、「各務原牛乳」は平成28年、「関りんご」は令和2年に終売した。

◆掲載瓶・商品の多角化について

掲載は2世代前の白牛乳(低温殺菌牛乳)瓶装。「セキ」の字を円形にあしらい、「乳」を中心に据えた旧商標は、昭和の名残り。平成10年頃にデザインを変更、漫画タッチの可愛らしい牛のイラストを全面に押し出し、大幅にイメージが変わっていく。

近年はCI導入で、積極的な販促を展開。「関牛乳」ブランドのアイス、寒天にプリン、キャラメル、サブレほか、菓子・デザート類の派生商品が続々登場している。

続々登場する関牛乳とのコラボ商品 (NPOぶうめらん)
カンバンの手帖ブログ版0126 (まるかど日記)
関牛乳の宅配受箱 / 関低温殺菌牛乳200mlビン (牛乳トラベラー)

◆パッケージのリニューアルについて

現行ビンは地元デザイン会社・MAKEOVERSさんの手により、本格的なCI統一に乗り出した、平成22年頃の再リニューアル。クラシックな雰囲気で高級感を強調。もちろん同時に紙パックも刷新、のち27年のマイナーチェンジで一層進化した。

関牛乳|総合ディレクション (MAKEOVERS株式会社)
関牛乳のデザイン / 関牛乳様ビタヨーグルデザイン (ハルのお仕事ブログ) ※消滅
関牛乳と関珈琲が新パッケージになりました (関牛乳)

地場中小ミルクプラントで、イメージ向上を企図したパッケージの見直しが、体系的・持続的に実施されるのは珍しいケースだ。知る限り、同様例は高知県の吉本乳業さんくらいだろうか。需要減退、産業集約化の流れに一矢報いる試みと思う。

― 参考情報 ―
関牛乳の紙栓(1) / 同・(2) (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
同・紙パック製品 (愛しの牛乳パック) / 関牛乳が消える? (NPOぶうめらん)
湯の華アイランド 岐阜県可児市 (喜多山栄の乗って、歩いて、湯に浸かり)


創業> 昭和13年、吉田牧場として
設立> 昭和25年、関牛乳(株)として
昭31> 関牛乳(株)・吉田順一/岐阜県関市観音前51
昭34〜36> 関牛乳(株)/同上
昭39〜平04> 同上/岐阜県関市観音前町41 ※時期により40番地とも
平09〜13> 同上/岐阜県関市観音前41
電話帳掲載> 同上
公式サイト> https://sekimilk.net/home/

処理業者名と所在地は、全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑]・[食糧年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成19年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



漂流乳業