創業100年余の歴史を誇る老舗、県北西部のローカル銘柄。直販は一帯の学校給食やAコープ・スーパーでの小売りが中心。糸島みるくぷらんと「伊都物語」や、イーハトーブ「銀河の雫」（平成26年前後に終売）の市乳処理も請け負う。

自社ラインナップはパスチャライズ処理の村山牛乳、定番のコーヒー、乳酸菌飲料ビタドリンクの3種。ビタ以外は瓶詰め・紙パックの両建てで、サイズのバリエーションも豊富だ。

掲載は昭和40〜60年代に流通の、連続した2世代。キューピーにビリケンを足しような、赤ちゃんのワンポイントが可愛い。現行品は容量標示が異なるが、ほぼ同様のデザイン。大瓶には母子のイラストを追加し、賑やかな装いとなっている。

◆唐津市および佐賀県の乳業事情

戦前の唐津には本項の村山氏と他2名が、戦後は同じく村山氏と「唐津酪農」の2者が、それぞれ牛乳の処理販売を手掛けた。昭和44年前後に唐津酪農は製造を中止。以降、現在に至るまで、村山ミルクプラントさんが市内唯一の工場だ。

佐賀グリコ乳業の存在を除けば、県下は全般に乳業経営が低調なエリア。昭和30年代初期の40軒が、40年代には10軒まで減り、50年代〜は約6社で推移。

近年の新設（どんぐり村、ヨコオ牧場）は別として、息の長い所は4つ（古賀牛乳、村山牛乳、鳥栖市酪農協、伊万里地方酪農協）あったが、うち3つが平成10〜20年代に相次ぎ撤退。佐賀の老舗牛乳店は、村山さん方が最後の砦である。

― 関連情報 ―
村山ミルクプラントの紙栓（1） / 同・（2） （牛乳キャップ収集家の活動ブログ）
同・瓶詰め・紙パック製品 / 糸島みるくぷらんと「伊都物語」 （愛しの牛乳パック）
村山牛乳200mlビン （牛乳トラベラー） / 村山ミルクプラント （ごちそうナビ）

創業＞ 大正2年
昭09＞ 村山力太郎／佐賀県東松浦郡唐津町 ※唐津町は昭和7年に市制施行済み
昭31＞ 村山ミルクプラント・村山錠吉／佐賀県唐津市双子町5110
昭34〜41＞ 村山ミルクプラント／同上
昭42〜43＞ 同上／佐賀県唐津市二多子町3-3-20
昭44〜48＞ 同上／佐賀県唐津市二タ子3-3-20 ※二タ子は双子とも
昭50〜平04＞ 村山義起／同上
平13＞ 村山博基／同上
電話帳掲載＞ 村山ミルクプラント／同上
公式サイト＞ http://www.milk-murayama.com/ ※運用中止

処理業者名と所在地は、牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成29年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料（参考文献一覧）の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます（利用上のご注意）。