創業から60年余、今も東京・新宿に拠点を構える現役の食品メーカーさん。「乳業製菓」の社名通り、アイスクリームを中心とした乳製品・洋菓子製造が主力のため、一般的に牛乳屋さんのイメージは希薄だろうと思う。
かつてはジュース類や乳性飲料も積極展開したが、昭和50年代に各種市販を大幅に縮小。近年は業務用の卸し、OEM供給、高速SAの直営店舗に重点を置く。
◆牛乳・乳製品の取り扱い状況
昭和22年の設立当初は乳類の自家処理をせず、製菓原料は全量を仕入れ調達。27年頃より生乳を直接買い付けて、粉ミルク・練乳・生クリームへの加工を行い自給体制を整える。そして間もなく牛乳・乳飲料の製販も始めたようだ。
白牛乳の現行製品は、小島屋3.6牛乳(1リットル紙パック)が健在?生産量は多くないが、ミルクプラントの運用は長く続いていた。しかし平成10年前後に飲用乳は関東乳業(株)(茨城県龍ケ崎市)への委託となり、自社賄いを終えたらしい。
◆掲載瓶・往年のラインナップについて
掲載は昭和30年代に流通と思しき、ジュースと同様の王冠細口ビン。当時、主に駅売店では、牛乳類もこんな形状の容器で商っていた(⇒関連:守山牛乳)。
古いトレードマークは打ち出の小槌、縁起の良い「寶印」。少なくとも昭和40年代、牛乳と生クリームについては紙栓の広口瓶が存在。その他の品揃えは良く分からない。
1968年頃の小島屋乳業です。販売者住所が懐かしい新宿区柏木。80年代は缶コーヒーもやっていて既報です。国鉄駅構内周辺でした。<後略>(⇒Twitter@tsubame92 2015/8/9)
<前略>納入用のサンプルでなので品名と製造時期が書かれ、小島屋乳業の王冠瓶飲料の製造時期の下限が昭和54年まで降ることがわかる。<後略>(⇒Twitter@kazagasira 2016/7/12) |
大手がシェアを独占しつつあった市乳・清涼飲料水を見限り、距離を置いた会社。いわば「東京ローカル」の規模だから、残存品の入手はなかなか難しい。紙パック充填機の導入・瓶詰めの廃止も、比較的早期に実施されていただろう。
― 関連情報 ―
東京の古いビル 西新宿の小島屋乳業製菓遷 (御光堂世界〜Pulinの日記)
小島屋乳業製菓 (Clocks & Clouds) ※消滅
同・ノベルティ―コップ (牛乳グラス☆コレクション)