所在は長野と県境を接する旧・妙高高原町。温泉・スキーなど観光で知られる町域に商われていた、往年の農系銘柄。昭和30年代の一時期、合併前の地元農協(現・JAえちご上越)が運営したミルクプラントだが、過去儚く散った市乳事業の詳細は良く分からなかった。
掲載は定番のホルスタインと、背景に妙高山、その麓に湯が沸く様子を描いた、可愛らしいご当地柄のびん。一帯は赤倉・池の平・杉野沢温泉といった、複数の温泉街を形成する。温泉マークをあしらった牛乳ビンは北海道の温根湯牛乳ほか、全国にも散見される。
かつて中頸城郡下には農系プラントが多数あった。中郷村農協、矢代村農協、下黒川農協、旭村農協、大瀁農協、上越酪農農協がそれぞれ自家処理・直売に臨んだが、昭和40年代中期までに全組合が撤退しており、古瓶やキャップの残存は極めて少ない。