戦後の創始と思しき、牧場(牛舎)併設ミルクプラント。地元宅配を中心に40〜50年ほど商われたが、平成12年の製品事故発生を契機に市乳処理より撤退、独自銘柄は消滅。現在は和牛(肉用)の繁殖・肥育メインに業態転換されている。
販路は限られ、現役時代を伝える情報は少ない。掲載は定番のホルスタイン絵をあしらった、やや古手の一本。紙栓にも同様のイラストが小さく入る。
◆鐘紡・防府工場のカネボウ牛乳
所在の防府では防府酪農(防府牛乳)が代表的なメーカーだが、かつては本項の河野さんを含め、なお数軒の搾乳業者が存在した。変わり種は、鐘紡紡績(株)防府工場だろう。戦後の一時期、併設牧場・製酪工場を営んだ記録が残る。
「鐘紡牛乳」の主たる目的は従業員への福利厚生か、市販の有無・規模は不明。正式な商品名も良く分からない。戦前、毛織の原毛確保のため牧羊に取り組むと同時に、別府と鹿屋、満州の王府牧場において、乳牛を飼育した前史もあった。
― 謝辞 ―
愛しの牛乳パック様より掲載瓶をご提供頂きました。
― 参考情報 ―
牛乳から大腸菌、県が営業禁止処分に (山口新聞ダイジェスト)
河野牛乳の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
山口の近代化遺産を巡る-防府市2 (MyTown MyCycle)