本州南端、日本海を目前に臨む牛舎併設の地場乳業さん。創始は戦前、平成に至るまで存続も、今は廃業されて既に久しい。昭和10年の統計によると、所在の小串町における乳牛飼養は4頭のみ。たぶんこの4頭は往時の稲田牧場さんが繋いでいたウシだろう。
◆掲載瓶とラインナップの変遷について
掲載(1)番は昭和30年代後期〜40年代初期流通の、「濃厚牛乳(加工乳)」200cc赤瓶。往時の原料事情や商品トレンド、工場の規模から推すに、この頃まだ100%生乳のアイテムは稲田牧場さんに無く、普通の白牛乳扱いだったと想像する。
全国的には標準容量180ccの時代だが、西日本エリアは市場競争の煽りで早期増量が進んでおり、このビンもその一例だ。(⇒関連:南日本/デーリィ牛乳)
続く(1)(2)番は後年〜最晩年の一本。「成分無調整」を大胆に強調した構え。牛乳キャップ上の標示は「イナダ牛乳」。昭和40年代中期に100%生乳に移行、加工乳を廃止の流れと思うが、ラインナップ仔細ほか、過去情報は少ない。
― 関連情報 ―
稲田牧場の紙栓
(牛乳キャップ収集家の活動ブログ)