土井牛乳 (1)土井牛乳 (1) 土井牛乳 (2)土井牛乳 (2)
土井牛乳 (1)

土井牧場(土井鹿太)
岡山県赤磐郡瀬戸町万富1449
新東洋硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代初期〜35年まで
土井牛乳 (2)

(株)土井乳業
岡山県赤磐郡瀬戸町万富1449
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和35年〜30年代後期

土井牛乳 (3)土井牛乳 (3) 土井牛乳 (4)土井牛乳 (4)
土井牛乳 (3)

(株)土井乳業
岡山県赤磐郡瀬戸町万富1449
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代後期〜40年代初期
土井牛乳 (4)

(株)土井乳業
岡山県赤磐郡瀬戸町万富1449
東洋ガラス製・正200cc側面陽刻
200cc移行後〜昭和50年代

昭和元年の創業から平成初年まで、約65年間に渡り商われたローカル銘柄。県下中堅の規模、地元では学校給食でお馴染み。牛乳キャップコレクター諸氏には、妙に語呂の良い謎ジュース「土井ドリンク」の存在が良く知られる。

掲載(1)(2)番瓶は会社設立前後の連続した2世代。続く(3)番もなかなか派手な仕上がり。いずれも古い駅弁の掛け紙を彷彿とさせる、レトロデザインだ。

処理工場の住所ではなく、最寄駅(山陽本線・万富)を示す瓶は珍しい。当時の一大販路・駅売りを意識したものか、あるいはメインの営業所がそこにあったのか。賑々しい旧世代を尻目に、200cc瓶の醒めたような素っ気なさが際立つ。

◆オハヨー牛乳の販売店に転換

長らくのご商売も、平成に入って間もなく自家処理より撤退、独自銘柄は消滅。たまたま隣り合わせに工場を据えていた、乳酸菌飲料・ヨーグルト製造メーカーの丸岡乳業さん(後述)に一部施設を譲渡したようなのだが、仔細は良く分からない。

電話帳には平成10年頃まで土井乳業さんの名前が残る。後年はオハヨー牛乳の卸し・宅配を手掛ける販社に転換、のちに完全廃業されたらしい。

◆となりにあった丸岡乳業さん

設立は昭和35年。醗酵乳・乳酸菌飲料・各種原液を取り扱うメーカーで、本社・工場はかつて西大寺市にあり、和気郡備前町にも分工場?を構え、支店/営業所は岡山市内を始め大阪・名古屋・東京・札幌まで伸びていた。

社長は西脇紀巳男(紀已雄)氏。社名「丸岡」の由来は、香川と岡山に製造拠点があった同業の丸岡物産(株)に関係するようだ。丸岡乳業の設立は丸岡物産が大洋香料に買収された年と同じで、そのとき一部門が独立したのかも知れない。

ド忘れ / 丸岡のヨーグルト (ジャンボフェニックス)
丸岡ヨーグルトの紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)

丸岡乳業の会社広告(昭和39年) 丸岡乳業の会社広告(昭和46年)
画像左:丸岡乳業の会社広告(昭和39年)…本社が西大寺市の時代。ゴールデンヨーグルト(液状の発酵乳)が看板商品。学校給食指定品とある。

画像上:丸岡乳業の会社広告(昭和46年)…本社は赤磐郡瀬戸町に移転済み。営業所は東京・大阪の2ヶ所。39年の広告にある札幌・名古屋は消滅。


画像下:丸岡乳業の会社広告(昭和42年)…原液各種の案内。マルニューのスタミン、パンニュー、ミルゲン、カルミル、ニューシャンなど。はっ酵煉乳のみ、ラベルに丸岡物産のマークが使われている。
丸岡乳業の会社広告(昭和42年)

晩年は「メロディー」「ラブエール」ほかヤクルト類似品を商い、また乳業各社に色物原液を卸していたが、平成24年、売上不振で破産。諸権利は県下に量販店網を持つ大黒天物産が買収、25年に布袋乳業(株)として再出発。傘下店舗のPBを手掛ける。

◆オハヨー乳業・瀬戸工場の運用

昭和40年代後期〜平成5年頃まで、「瀬戸町万富960番地」には「オハヨー乳業(株)瀬戸工場」が置かれている。これは丸岡乳業、もしくは土井乳業さんに原料加工を委託したオハヨーが、便宜的に瀬戸工場の名前で運用したものだろう。

往時のオハヨーは乳酸菌飲料「ママイ」が大ヒット、自社生産が間に合わず、助太刀を頼んだ流れ?土井・丸岡さんの住所を名簿上で追うと、同じ960番地を示す時期が互いにあって、表記上の齟齬か、工場共用/交換なのか、定かでない。

― 参考情報 ―
土井乳業の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 同・紙栓 (牛乳キャップとは)
土井牧場の宅配受箱 (むにゅ’s のぉと) / 土井乳業 (ジャンボフェニックス)
ラブエールって知ってる? (万華鏡) / 大黒天物産 製造小売化宣言 (DRMオンライン)


■土井乳業 <掲載瓶>
創業> 昭和元年
昭09> 土井市太/岡山県赤磐郡潟瀬村
昭30> 潟瀬村は周辺町村と合併し、瀬戸町となる
昭31〜34> 土井鹿太/岡山県赤磐郡瀬戸町万富1449
昭35> (株)土井乳業を設立
昭36〜53> (株)土井乳業/同上
昭56〜平01> 同上/岡山県赤磐郡瀬戸町万富960
電話帳掲載> 同上/岡山県赤磐郡瀬戸町万富959 ※当時
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 平成2年前後
公式サイト> 土井乳業としては未確認

■丸岡物産 ※乳製品(醗酵乳・乳酸菌飲料)工場
設立> 昭和32年
昭34> 丸岡物産(株)・小川裕史/岡山県岡山市南方352
昭35> 大洋香料(株)に買収される
昭36> 同・小立藤蔵/同上 ※小立氏は大洋香料の創業社長
昭38> 同・則武久喜太/同上
昭39> 大洋食品(株)に改称、工場を市内土田に移転
昭40〜平04> 大洋食品(株)岡山工場/岡山県岡山市土田136
平05> 大洋香料は大洋食品を吸収合併
平13> 大洋香料(株)岡山工場/同上
平21> 岡山市は政令指定都市に移行、行政区を設置
電話帳掲載> 大洋香料(株)岡山工場/岡山県岡山市中区土田136
公式サイト> http://www.taiyo-koryo.co.jp/

■丸岡乳業 ※乳製品(醗酵乳・乳酸菌飲料)工場
設立> 昭和35年
昭36> 丸岡乳業(株)/岡山県岡山市上伊福立花町160
             ※のち「岡山県乳飲料業協同組合」名義に変わり、昭和42年頃まで存続
昭39> 同上/岡山県西大寺市藤井155-1
昭40〜44> 同上/岡山県和気郡備前町鶴海2909-1
昭46> 同上/岡山県岡山市西大寺藤井
昭47> 同上/岡山県赤磐郡瀬戸町万富
昭50〜53> 同上/岡山県赤磐郡瀬戸町万富960
昭56〜平13> 同上/岡山県赤磐郡瀬戸町万富956-1
平19> 瀬戸町は岡山市に編入される
平21> 岡山市は政令指定都市に移行、行政区を設置
平24> 丸岡乳業は経営不振により破産・廃業
平25> 工場施設・営業権は大黒天物産が買収、布袋乳業(株)として再出発
平27> 布袋乳業は総社市中原(大黒天物産・中国物流RMセンター)に移転?

電話帳掲載> 同上/岡山県岡山市瀬戸町万富956-1 ※当時
                   布袋乳業(株)/岡山県岡山市東区瀬戸町万富956-1
公式サイト> 丸岡乳業、布袋乳業としては未確認

■オハヨー乳業・瀬戸工場 ※乳製品(醗酵乳・乳酸菌飲料)工場
開設> 不明ながら昭和40年代後期?
昭50〜平04> オハヨー乳業(株)瀬戸工場/岡山県赤磐郡瀬戸町万富960
廃止> 平成5年前後
電話帳掲載> 未確認
公式サイト> http://www.ohayo-milk.co.jp/


処理業者名と所在地は、牛乳新聞社「大日本牛乳史」・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・[山陽年鑑]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成27年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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