恐らくは戦後、10年ほど稼働した農系ミルクプラント。掲載は往年流通の一本で、賀茂・河内・尾道、3つの地名が踊る。処理工場は賀茂郡、電話番号が載っているのは営業所だろう。経営不振によりグリコ傘下に入って、独自銘柄は早々に消滅した。
◆短命に終わったグリコ山陽協同乳業
昭和36年、集乳エリア拡大を期すグリコ協同乳業(グリコ牛乳)の事業提携に応じ、河内酪農協さんは合弁会社であるグリコ山陽協同乳業(株)を設立、協力工場に転じたらしい。
しかしその新会社も、翌37年にはグリコ中国協同乳業(広島県安佐郡)に吸収合併され消滅。以降は市乳事業を手仕舞いとし、生乳出荷に専念の顛末を辿った。
◆その後の河内酪農協さん
時期不詳ながら工場跡地は地元信用金庫の店舗に建て替わり、それも平成23年に支店統廃合で閉鎖。現在当地には使われなくなった古い建物だけが残る。
河内酪農協さんの去就は良く分からない。組合員の離農や別団体への移籍で有名無実と化し、廃止状態のまま法人の後始末をせず放置されたようだ。平成16年、代表者不在・所在不詳のため、広島県から農協法に基づく解散命令が出されている。