昭和3年、伊豆・田方出身の大庭種次郎氏が当地に牧場を拓き、搾乳販売に着手。以来およそ100年の歴史を刻む、県中部のローカル銘柄。
市域の個人ミルクプラントでは、かつて柳町にあった山内牧場(山内牛乳)と並ぶ目覚ましい成功例で、昭和40年代、一帯の販売店数では明治・森永・雪印の各社を上回った。
家業は連綿と受け継がれ、当代は大庭圭壹氏。大庭乳業社長を務めるかたわら、獣医師の肩書を持ち、焼津市と清水区にある大庭動物病院の運営も手掛ける。
掲載ビンは昭和30〜50年代に流通と思しき4世代。途中に回収漏れもありそうだが、基本デザインは数十年間変わらなかった様子を見て取れる。とはいえ(4)番瓶は突然のイメージチェンジ、ロゴタイプの急激な変化が面白い。
◆静岡牛乳協同組合の設立
平成10年、県下複数の中小メーカーが共同設立した静岡牛乳協同組合に参画。厳しさを増す市況に応じ、再編合理化による経営改善・老朽設備の刷新を図った。組合は翌11年に新工場を落成、操業開始。
・静岡牛乳協同組合 (中小企業静岡 2003年7月号
くみあい百景)
・「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
(清水銀行)
日本乳業協会「乳業再編推進の手引き」(PDF)に詳報あり。社名は伏せてあるが、ケースごとの事例(4)(中核企業を中心とした協業化型)が該当。A乳業=静岡牛乳協同組合、B乳業〜E乳業=大庭・鈴木・三和・原酪。以下要約。
(1)事業実施に至る経緯
同一地域にあるB乳業〜E乳業は工場が老朽化し、今後の事業継続について話し合っていた。経営は各社多様だったが、効率的乳業施設整備事業を利用して、共同で新工場を建設することにした。
(2)事業実施の内容
事業協同組合方式を選択。それぞれの会社規模に即した出資で、A乳業を設立した。B〜D乳業は自社製品をA乳業に委託、販売に特化。A乳業は製造受託費で運営。E乳業は出資のみで廃業。学校給食用牛乳は統一ブランドで供給している。 |
初期の構成メンバーは大庭乳業さん、原酪乳業さん、鈴木牛乳さん、三和乳業さんの計4社。中心的役割を果たしたのは大庭さんで、理事長は長く氏が務めた。のちに合流企業が増え、現在組合はメーカー6社の共同出資で運営されているようだ。
◆統一ブランド展開とOEM生産の概況
各社旧来のミルクプラントは漸次閉鎖、組合は統一ブランド「ふじの国から静岡牛乳」や県産牛乳の共同ブランド「みるしず」を掲げるが、「大庭」銘ほか参画会社のオリジナル商品も、組合への製造委託(集約処理)でなお一部が存続する。
・大庭牛乳
(B級品コレクター小学生@X)
・三和牛乳
(ミルクマイスター@X)
令和6年時点の販路は学乳が5割を占め、静岡・山梨・東京の300校以上に供給。残りがスーパーや宅配、病院向けで、武田牛乳やケンニューのアイテムも請け負っており、軽量新瓶+シュリンク包装ながら、瓶装ラインも維持されている。
― 関連情報 ―
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(牛乳キャップとは)
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(牛乳キャップ収集家の活動ブログ) / 同・紙パック製品
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駿河湾深層水を利用した「New乳」が好評
(中小企業静岡) ※掲載終了