ナカノ牛乳ナカノ牛乳ナカノ牛乳
ナカノ牛乳

中野酪農食品(株)
静岡県沼津市上土町字川廓82
製瓶元不明・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期〜後期

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戦後およそ30年ほど商われた、沼津市域のローカル銘柄。昭和50年前後に市乳処理より撤退され、独自の銘は消滅。いっぽう祖業の「なかの精肉店」はその後も長く続き、平成なかごろまで沼津駅前商店街(大手町商店街)に軒を構えられていた。

掲載は往年流通の一本。赤ちゃん横綱の手数入り(でずいり)を描いたイラストが可愛らしい。福島・南会津東部酪農協の横綱牛乳に並ぶ、お相撲さんデザインだ。

◆商店街にお肉屋さん・洋食屋さんを営む

創始は明治37年、中野金蔵氏の精肉店開業により、大正6年には自ら牧場経営に乗り出したと伝わる。まずは肉用種を手掛けたのだろうと思うが、仔細は不明。牛乳・乳製品の加工販売は戦後、昭和21年に始まった新規事業だった。

後年は前記の商店街に自社ビル(ナカノ・ビル)を据え、一階でお肉屋さん、二階では食堂を営んでいたらしい。もちろんステーキやハンバーグなど、肉料理が評判だったそうだ。建物は現存するが、肉屋も食堂も閉じて久しく、今はビル名も変わっている。

かつて精肉店のあった一階は、幾度かのテナント変更を経て、あんかけスパゲティのお店「ボルカノ」が移転入居し、盛業中。ちょっと有名な地元グルメの老舗である。

― 参考情報 ―
昭和黄金時代の沼津商店街 (人文パイプぶろぐ)


創業> 明治37年、中野精肉店として
大06> 牧場経営に着手
昭21> 市乳事業を開始

設立> 昭和23年、中野酪農食品(株)として
昭34〜36> 中野牛乳/静岡県沼津市上土字川廓町82
昭39〜40> 中野酪農食品(株)/静岡県沼津市大手町152 ※本社の住所
昭41〜48> 同上/静岡県沼津市上土町字川廓82
電話帳掲載> 中野酪農食品(株)/同上 ※昭和52年時点
                   なかの精肉店/静岡県沼津市大手町5-4-4 ※平成12年時点
自家処理撤退・独自銘柄廃止> 昭和50年前後、以降しばらく販社営業?
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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