伊藤牛乳(伊藤末治郎商店)伊藤牛乳(伊藤末治郎商店)

(記事下段)

伊藤牛乳 (伊藤末治郎商店)

(名)伊藤末治郎商店
岐阜県岐阜市玉姓町2-13
大和硝子製・容量打刻なし
昭和30年代中期

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戦後およそ17年間、市域に商われたローカル銘柄。もとは大正期に創業?のラムネ屋さんで、牛乳・乳飲料は後年の需要増に応じた新規参入らしい。

昭和47年前後に市乳処理をやめ、「伊藤牛乳」銘は消滅。以降、平成に至るまで炭酸・清涼飲料水の製造販売は続いたはずだが、去就は不明。

◆掲載びん・キンシ印について

掲載は大型王冠栓仕様の一合瓶(⇒関連:特集-りんご牛乳)。これに普通の白牛乳を詰めて売るのは珍しかったと思う。展開初期は新たな設備投資を避け、既設充填ラインの共用で色々なアイテムを賄ったのかも知れない。

キャップコレクター諸氏のサイトには、当社の紙栓も多数捕捉される。のち一般的な包装形態に変えたのだろう。「キンシ印」は金鵄をひく商標か。紙栓には井桁にトの字をあしらった屋号があるだけで、キンシの語は全く出てこない。

伊藤末治郎商店の紙栓 (牛乳キャップとは)
同・紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)

◆現地に残る旧工場はギャラリーに

往時の什器類は既に撤去済みと見られるが、昭和20〜30年代出来の古めかしい工場建屋は今なお健在。一階はガレージ、二階が現代美術の画廊(GALLERY CAPTION)、三階は倉庫?(伊藤倉庫)として継続利用されている。

廃業後も、通りに面して「合名会社伊藤末治郎」の看板は架かったままだった(最下部「商店」の文字部分は欠落)。しかし平成25年頃、ついに撤去へ至ったようだ。

― 関連情報 ―
ベンテン・キンシジュース(六角形のジュースビン) (川原の一本松)
ギャラリー・工房 GALLERY CAPTION (チルチンびと広場 岐阜県)


創業> 大正11年、清涼飲料水(ラムネ)メーカーとして
大15> 伊藤常三郎/岐阜県岐阜市高野町7
昭10〜14> 伊藤商会・伊藤ふじゑ/岐阜県岐阜市高野町7-65
                     ※上記が創業以来の沿革と見られるが、仔細は不詳
設立> 不明ながら昭和20年代中期、(名)伊藤末治郎商店として
昭26> (合)伊藤末治郎商店・伊藤末治郎/岐阜県岐阜市高野町7-54
昭29> (資)伊藤商会/岐阜県岐阜市玉姓町3-13 ※法人格・商号誤り?
昭30> (株)伊藤末治郎商店/岐阜県岐阜市玉姓町3 ※法人格誤り?
市乳事業開始> 昭和30年前後
昭31〜36> (名)伊藤末治郎商店・伊藤末治郎/岐阜県岐阜市玉姓町2-13
昭39〜44> 同上/岐阜県岐阜市玉姓町3-12
昭46> 同上/岐阜県岐阜市玉姓町3-13
市乳事業撤退> 昭和47年前後 ※以降は清涼飲料水の製造販売のみ
廃業> 平成5〜10年頃?
電話帳掲載・公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、[岐阜商工名鑑]・[全国工場通覧]・[食糧年鑑]・全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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