植村農園植村農園

(記事下段)

植村農園

植村農園
三重県志摩郡浜島町南張1663
東洋ガラス製・正200cc側面陽刻
昭和50年代

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戦後60〜70年ほど町域・郡域に商われた、伊勢志摩のローカル銘柄。かつて志摩郡にあったミルクプラント5軒のうち、粘り強く最後まで残ったメーカーさんだが、平成26年に廃業され、銘柄は消滅。販路は戸別宅配が中心で、現役当時を伝える情報はあまり多くない。

◆植村農園の牛飼いと牛乳販売

掲載瓶に大きくあしらわれた「房」の字は、創業者である植村房生氏のお名前から来ている。氏は昭和23年、自らの農地に乳牛を一頭入れ、搾った乳を自家消費する傍ら、戦時に荒廃した田畑再生のため、厩肥を耕作に利用したという。

間もなく、近隣から牛乳の引き合いが増えたと見え、翌24年には簡易工場を据えて飲用牛乳の直売に着手。自家搾乳・自家処理の営みが始まった。さらに植村氏の牛飼いを契機として、町全体に乳牛導入の輪が広がっていった。

昭和43年に至っては、植村氏を含む農家9戸で南張酪農組合を結成、一帯で約300頭の飼養規模に発展。もちろん植村農園さんにその全量を捌き切るだけの販売量はなく、組合の生乳出荷先としては、大内山酪農農協(度会郡大紀町)がメインだったようだ。

― 関連情報 ―
浜島町南張 (ウィキペディア)
植村農園の紙栓 (牛乳キャップ収集家の活動ブログ)
植村農園(廃業) (牛乳キャップ収集と販売情報)


創業> 昭和24年
昭31> 植村農園・植村房生/三重県志摩郡浜島町
昭34〜平13> 植村農園/三重県志摩郡浜島町南張1663
平16> 志摩郡は5町合併により志摩市となる
電話帳掲載> 同上/三重県志摩市浜島町南張1663 ※平成24年時点
廃業> 平成26年
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、全国飲用牛乳協会 [牛乳年鑑1957年版]・食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料(参考文献一覧)の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます(利用上のご注意)。



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