沿革不詳ながら、町域に50年ほど商われたらしい、県下嶺北地方のローカル銘柄。昭和30年代には自家処理より撤退され、独自ブランドは消滅。以降は平成に至るまで、大手メーカーの販売店さんを営まれていたが、それも閉業して既に久しい。
ビンと一緒に残っていた牛乳キャップには「獣医師・浅沢幸夫」の標示が見える。かつては牛乳屋さんと「室屋獣医科医院」の二枚看板だった。ペット相手の普通の動物病院ではなく、たぶん家畜・家禽の獣医さんとしてご活躍されていたのだと思う。
屋号「室屋」の由来は良く分からない。味噌造りや麹屋を祖業とする家の名乗りとも言われ、浅沢家の古いご商売に関わるものか、単に創始が室屋姓の人物で、それを引き継いだ…という可能性もあるかもしれない。(⇒参考:味・歴史めぐり/室屋長兵衛)