石原ホモ牛乳（岡山県）

瀬戸内海を間近に臨む、県南東部の「牛窓」に、およそ70年の歴史を誇る現役ミルクプラント。牧場直営で販路は宅配中心、白牛乳びん詰め900cc大瓶と掲載の一合瓶をラインナップ。今や界隈に存続する唯一最後の個人メーカーだ。

・石原牧場の冷蔵庫 / 牛窓石原牧場（ジャンボフェニックス）
・港町牛窓特集（国司憲一郎のリンだRiNだ）

牛窓を含む旧邑久郡域は、明治時代から酪農の盛んなところ。京阪神地方の市乳業者に対する妊娠牛（搾乳牛）の主要な供給源で、農民資本の練乳会社も勃興。戦後、県全体に牛飼いが増えた折には、優良種畜の産地として名を馳せた。

◆掲載瓶・各種の標示について

堂々の「高等登録牛」標示は、日本ホルスタイン登録協会が行う体格審査に合格した乳牛を指す。消費者に向けたアピールはちょっと珍しい。一見凡庸な牛のイラストも、良く眺めれば乳房が段状に四つ、しっかり描き込まれ、見事な体躯を主張する。

掲載は割と新しい流通品だが、あってしかるべき「要冷蔵（10℃以下）」の注記がない。「石原ホモ牛乳」は旧銘の名残り。紙栓の標示は「石原牧場均質牛乳」に変わって既に久しい。現行瓶装も、ほぼ同じデザインが引き継がれている。

― 参考情報 ―
石原牧場の紙栓（牛乳キャップ収集家の活動ブログ）
石原牧場（乳業探訪記） / 同・宅配受け箱（むにゅ’ｓのぉと）
畜産便り復刻版（おかやま畜産ひろば）

創業＞不明ながら戦後？
昭31～44＞石原勤一／岡山県邑久郡牛窓町大浦3270
昭46～53＞同上／岡山県邑久郡牛窓町大浦960
昭56～平13＞（有）石原牧場／岡山県邑久郡牛窓町牛窓3270
平16＞牛窓町は周辺2町と合併し、瀬戸内市となる
電話帳掲載＞石原牧場／岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓3270
公式サイト＞未確認

処理業者名と所在地は、食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。電話帳の確認は平成19年時点。掲載情報には各種Webサイトや書籍資料（参考文献一覧）の参照/引用、その他伝聞/推測などが含まれます（利用上のご注意）。