往年の市域に商われた、県西部のローカル銘柄。沿革不詳ながら、旧掛川町では唯一戦前来の歴史を持つ、息の長い老舗だった。昭和45年前後に製造を中止、以降なお50〜60年代まで乳類販売を続行も、現在は廃業されて既に久しい。
請け売り時代の取り扱いは、たぶん明治とか森永の大手ブランドと思われる。後年は(有)掛川牛乳として会社法人も立っていた。いっぽう古い電話帳の掲載はずっと、経営者さんのお名前をひく「橋本牛乳店」。橋本さんちの掛川牛乳、という塩梅だろう。
掲載はかつてのオリジナル、昭和30年代に流通の一本。「牛乳は完全食」のキャッチコピーが頼もしい。滋養豊富を素直に喜ばれた、良き時代である。