昭和30年代中期におよそ60ものブランドが存在した奈良県は、中小乳業の淘汰が非常に早く進んだ地域である。同40年で16社に激減、平成まで存続を果たした市乳工場は僅か5軒に過ぎない。流通上のポテンシャルに乏しいのか大手の分工場も無く、集約合理化の趨勢を考慮に入れても異様なほど少ない数で、衰退ぶりが際立つ。
掲載の老舗銘柄はしかし、県下最古にして現在唯一、逞しく生き残った堂々の現役牧場さん。ご当地にはレストラン・売店などが併設され、小規模な観光牧場としても親しまれている。
Web上には現地への訪問記や牧場のようすを綴ったページが多いほか、知的障害者の積極的雇用による牧場運営についての言及も散見される。
(⇒奈良・お店拝見・植村牧場/荒川MC流通総合サイト)
(⇒植村牧場見学・小さな町の牧童たち/奈良県高等学校人権教育研究会)
瓶詰め牛乳も健在、市内全域へ宅配中。紙パック充填設備がそもそもない?ようすで、市乳製品についてはすべからく瓶装のもよう。掲載の瓶は「要冷蔵」標示のみであることから、昭和45年頃の200cc移行期〜同60年代くらいの流通と見込まれる。
現行品もデザインはほぼ同じ。実際に植村牛乳を宅配して貰っていたkazagasiraさんによれば、要冷蔵に「10℃以下」を併記しつつ長らくまる正200cc打刻瓶が使われており、平成14〜15年頃から「まる正200ml」印刷標示瓶に切り替わり始めた…ということである。また、昭和30年代末期?流通の六角瓶が、牧場現地の“ミニ博物館”に展示されているらしい。
― 関連情報 ―
植村牧場の紙栓
(牛乳キャップ収集家の活動ブログ)