◆昭和36年、日本には約3,500軒の牛乳工場があった
当時刊行の業界誌に掲載された「牛乳工場名簿」をHTML化しました。きっと昔、あなたのご近所にも牛乳処理工場があったはず。市町村合併で、住所は様変わりしているでしょうが…。
名簿の出典は、[酪農乳業年鑑(全国乳業年鑑)・昭和37年版](食糧タイムス社)です。巻号標示の前年、36年6月末時点の集計が載っています。
本土復帰前の沖縄のみ、昭和48年時点の名簿情報で代用。昭和35年以前に製造中止/廃業したところ、逆にそれ以降に新しく出来た乳業は含まれません。また電話番号は未掲載です(古い乳業年鑑には、そもそも電話の情報がありません)。
◆全国乳業年鑑(酪農乳業年鑑)とは
(株)食糧タイムス社さんが、かつて毎年刊行した乳業界に関する年鑑です。企業まわり・酪農政策・その年の出来事や発表された主要製品群など様々な情報を網羅。付録として、当年もしくは前年〆の「全国乳業工場名簿」を掲載しています。
乳業の変遷を辿る際、「職業別電話帳」のような資料では出来ないことがあります。決定的な違いは「メーカー」と「ベンダー」の混在がなく、「製造実績のある乳業(販売店ではない乳業)」だけを抽出・追跡可能な点で、こういう名簿は他に例を見ません。
また、電話帳は地域毎に分冊化され、古い年次の閲覧・集約が困難・煩雑なのに比べ、名簿のみならず多岐に渡る関連情報を一冊で得られるメリットも大きいです。
◆古い版の所蔵状況と書名について
国会図書館の書誌情報によれば、創刊は「昭和34年版」(付録名簿の実年は恐らく33年)。以降ほぼ毎年刊行。「1989年版」から西暦の巻号表示に変わり、都合45冊目となる2005年版(平成17年版)で休刊(廃刊)しました。
kazagasira氏にお教え頂いた奈良県立図書館に所蔵の「昭和35年版」、次いで国会図書館本館の「昭和37年版」が最も古い時代のもの。創刊号は見つかっていません。
昭和37年版あたりまで[酪農乳業年鑑]の書名でしたが、のち[全国乳業年鑑]と改題。2003年版(平成15年版)以降の名簿は主要メーカーのみに縮小。全国の中小業者を網羅した名簿情報は、たぶん2001年版(平成13年版)が最後です。