海賊版 特 集 - 海 賊 デ ザ イ ン 瓶

スワ牛乳 渡辺牛乳渡辺牛乳
スワ牛乳

諏訪重雄?⇒諏訪乳業(株)?
新潟県南蒲原郡葛巻村葛巻746?
組織・瓶製品存続
第一硝子S31年製・市乳180cc底面陰刻
昭和30年代初期
渡辺牛乳

渡辺牛乳
宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田
廃業(S30年代後期)
日本硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期〜後期

東城(酪農)牛乳東城(酪農)牛乳 木村牛乳木村牛乳
東城(酪農)牛乳

東城酪農業協同組合
広島県比婆郡東城町大字川西487
広島県酪へ統合・再編合理化により製造委託?
石塚硝子製・正180cc側面陽刻
昭和30年代中期
木村牛乳

木村ミルクプラント(木村牧場)
宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原1
組織・瓶製品存続?
ユニオン硝子工業製・正180ml側面陽刻
昭和43年頃〜200cc移行まで

終戦後、街の看板やマッチラベルに重宝されたミッキーマウス。事実上のフリー素材だった時代は確かに存在していた。その大半は下手糞な模写、時に少々のオリジナル要素が加わる。故に一線を超えた相似性を持つものは意外と少ない状況…ではあった。

ところが、スワ牛乳のミッキーはどう見ても…原典のイラストをそのまま忠実にトレースしたのか、むしろ潔い。デッドコピーの極み、製瓶会社もよく受注した、感動した!版下の作成時にディズニーの絵本か何かを直接引き写していたのだろうか?

ご当地に健在の新潟・諏訪乳業の初期印刷瓶と推測しているが、標示の電話番号が [全国乳業年鑑] 上のそれと一致せず、或いは同様銘柄を商う全く別のメーカーかも知れない。

一方 どでかい牛乳瓶を両手に捧げ持つ渡辺牛乳のミッキー。スワ牛乳のそれに比べれば鼻の部分が白抜きになっているなど “自家製造” の匂いも感じられる。全体的には初期のミッキーマウスに近い絵だろうか。これならオッケー?の筈はなく、禁断のアウトローびん認定は免れない。

古き良きディズニー草創期のタッチを彷彿とさせるのは東城牛乳(東城酪農牛乳)のミッキー。昭和30年代中期の瓶装ながら、終戦のどさくさ・インチキミッキーテイストを受け継ぐ貴重な一本。思い出しながら描いたような中途半端っぷりに、ウォルトディズニーも思わず訴訟を断念か?

渡辺牛乳のミッキーと同じくビッグなボトルを持った木村牧場の蝶ネクタイ男は出典を明らかにできなかったものの、何らかのアメリカン・コミックから登場人物を借用したものと見られる。

というのも、木村牧場さんは昭和30年代出来と思しきノベルティーコップに、ポパイの絵をそのまんま使っていた 「前科」 が確認されているのだ。怪しむな、と言うほうが無理だろう。

(この項下段に続く)


瀬戸牛乳瀬戸牛乳 フタバヨーグルト(第一乳製品)フタバヨーグルト(第一乳製品)
瀬戸牛乳

瀬戸牛乳(株)
愛知県瀬戸市陶原町6-9
再編合理化により銘柄廃止・廃業(H14年)
石塚硝子製・180cc底面陰刻
昭和30年代初期
フタバヨーグルト

第一乳製品製造所
愛知県岡崎市元能見町133
廃業(S62年前後)
山村硝子S36年製・90cc底面陰刻
昭和30年代中期〜後期

貝瀬牛乳貝瀬牛乳 田中牛乳 (コップ)
貝瀬牛乳

貝瀬ミルクプラント
群馬県沼田市沼田1285
組織・瓶製品存続
石塚硝子製・正200cc側面陽刻
昭和50年代〜平成5年頃
田中牛乳 (コップ)

(株)田中牛乳
熊本県芦北郡芦北町花岡1818
組織存続・再編合理化により製造委託?
打刻なし
昭和30年代後期

瀬戸牛乳のペコちゃんも限りなくアウトに近い。昭和30年代のデザインは描線が多く丁度こんな感じのタッチで描かれていた(⇒ペコちゃんの歴史/Peko World)。後継瓶は未入手ながら、程なく自前のキャラクター (笑顔の男の子) に切り替わったようである。
(参考瓶:本家・不二家乳業の瓶/(沼津)保証牛乳の不二家ミルキー広告瓶

愛知県はペコちゃん受難の地か?第一乳製品のフタバヨーグルトにも不敵な笑みが浮かぶ。みんな真似してるからオッケー?の筈もなく、不二家の顧問弁護士からお便りが届きそうな風貌だ。

しゃくれ上がった “ヨーグルト” ロゴはサンヨーグルト系(135cc瓶)等に散見され、原液/種菌は他社専業筋からの買入であったようす。県下乳業の発酵乳製品を中心に委託生産実績あり、往時の紙キャップにも名前が出ている。(⇒豊田ヨーグルトの大判キャップユニオンヨーグルトの大判キャップ/牛乳キャップとは?)

貝瀬牛乳のキューピー
は彩りということで掲載。「海賊デザイン瓶」 と呼ぶのは酷だろう。埼玉県下には直球勝負の 「キューピー牛乳」 銘も存在していた。キャラクターの原作者であるローズ・オニールに許可を取っているとも思えないが、キューピーに纏わる権利関係は少しばかり複雑である。

キューピーは、ローマ神話に登場する愛の神・クピドの戯画化で、アメリカのローズ・オニールが明治42年に雑誌の挿絵として公表したもの。可愛らしい姿が大いに受けて、大正時代には日本でもキューピー人形が大流行した。

今の感覚だと不思議に思えるが、原作者は著作権の主張にあまり興味がなかったようすで、当時から世界的に無許諾の関連商品が出回り、すっかり一般化してしまう。実際、マヨネーズのキユーピーを筆頭に、日本興業銀行などが正式なライセンスを受けずにイメージキャラクターとして使っていたが、ローズ・オニール当人とその承継者を含めて、誰も使用料を求めなかった。

キユーピー株式会社は、昭和40年までに日本とアメリカでそのマークの商標登録を済ませている。その後、第三者が突然 国内におけるキューピーの使用権をオニール家から獲得、裁判沙汰にはなった。(⇒東京地裁・平成10年(ワ)13236号/東京高裁・平成11年(ネ)第6345号

田中牛乳の奇妙な牛マークが目を引く販促コップは変化球的なパクリ。森永牛乳全酪/ゼンラク牛乳の項を見て貰えれば、どういう図柄であるかその意味を分かって貰えるだろう。牛乳瓶の方は一体どんなデザインであったか、興味をそそられるところだ。


■スワ牛乳
創業> 不明
昭36> 諏訪重雄/新潟県南蒲原郡葛巻村葛巻746
昭40〜43> 諏訪牛乳/新潟県見付市葛巻町 ※見附市の誤記
昭46〜56> 同上/新潟県見附市葛巻町字大場749
昭60〜平04> 諏訪乳業(株)/新潟県見附市葛巻町字大場746
電話帳掲載> 諏訪乳業(株)/新潟県見附市葛巻町746
公式サイト> 未確認

■渡辺牛乳
創業> 不明
昭34〜36> 渡辺牛乳/宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田
電話帳掲載・公式サイト> 未確認
廃業> 昭和30年代後期

■東城(酪農)牛乳
設立> 昭和29年
昭34> 東城酪業協同組合/広島県比婆郡東城町大字川西487
昭36> 東城酪農協同組合/同上
昭40> 東城酪農業協組/広島県比婆郡東城町大字川東
昭43> 東城牛乳/広島県比婆郡東域町大字川東
昭46> 同上/広島県比婆郡東城町大字川東
昭50> 東城酪農業協組/同上
昭51> 工場を移転したとの記録あり
昭56> 同上
昭60> 同上/広島県比婆郡東城町大字川西787-3
平04> 東城酪農業協同組合/同上
平06> 県下の全酪農協が統合され広島県酪農業協同組合へ転進、同・東城工場となる
平09> 乳業施設再編合理化により工場は閉鎖
電話帳掲載> 未確認
工場閉鎖> 平成9年
公式サイト> http://hiroshima.lin.go.jp/dairyice2.htm (参考)

■木村牛乳
創業> 不明
昭34〜40> 木村ミルクプラント/宮城県牡鹿郡女川町女川
昭43〜50> 同上/宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原1
昭56> (資)木村乳業/同上
昭60〜平04> 木村乳業(株)/同上
電話帳掲載> 木村乳業(株)/宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原1-17
公式サイト> 未確認

■瀬戸牛乳
創業> 不明
昭36> 瀬戸牛乳(株)/愛知県瀬戸市陶原町6-9
昭40〜平04> 同上/愛知県瀬戸市川端町2-7
平14> 乳業施設再編合理化により工場は閉鎖
電話帳掲載・公式サイト> 未確認
廃業> 平成14年

■第一乳製品(フタバヨーグルト)
※「乳製品/発酵乳・乳酸菌飲料処理工場」としての掲載
創業> 不明
昭40〜43> 第一乳製品製造所/愛知県岡崎市元能見町133
昭46〜50> 同上/愛知県岡崎市伊賀町219
昭56〜60> 同上/愛知県岡崎市錦町7-14
電話帳掲載・公式サイト> 未確認
廃業> 昭和62年前後?

■貝瀬牛乳
創業> 不明
昭36> 貝瀬ミルクプラント/群馬県沼田市1285
昭40〜43> 同上/群馬県沼田市沼田1285
昭46> 同上/群馬県沼田市河田1285 ※河田は沼田の誤記
昭50〜平04> 同上/群馬県沼田市材木町1285
電話帳掲載> 同上
公式サイト> 未確認

■田中牛乳
創業> 不明
昭36> 田中共養舎/熊本県芦北郡芦北町花岡1818
昭40> 田中ミルクプラント/同上
昭43> (株)田中/同上 ※社名脱字
昭46〜平04> (株)田中牛乳/同上
平11> 乳業施設再編合理化により工場は閉鎖
電話帳掲載> 同上/熊本県葦北郡芦北町大字花岡西1818 ※水俣市に支店?あり
公式サイト> 未確認

処理業者名と所在地は、食糧タイムス社 [全国乳業年鑑] 各年度版による。
創業年等の一部情報は公式サイト他からの引用あり。電話帳掲載の確認は平成19年時点。



漂流乳業