巨大な農協マークが映える米内沢農協の瓶。KUMIAI
BRAND MILK
の標示から想像するに前段の静岡県乳業等と同じく「クミアイ牛乳」銘での商いだったと見られるが、仔細は不明。地元の図書館に同農協史が所蔵されているようなので、機会があれば確認してみたいところだ(国会図書館にも未収蔵の地方郷土史・マイナー企業史は意外と多い)。
「クミアイ牛乳」は酪農協系ブランドに多い命名で、製造元を辿るのが時に困難となる無個性銘柄。瓶だけを入手して何か調べようとしても組織を確定できず、その歴史を辿るのが難しいケースも出てくる。最も恐ろしいのは下記に示す「農協牛乳」だ。
そのまんま農協牛乳銘を売り出していたのは兵庫・北阿萬農協と宮崎・高原(たかはる)町農協さん。日本全国津々浦々、無数に存在していた組織である。仮に“組合の名入れ”がなければ瓶の出自を辿ることは殆ど不可能となり、調べる者にとっては恐ろしい命名の仕方だ。例外的とまでは言えないが、単純に「農協牛乳」銘を商う(酪)農協は少数派ではあった。
高原町農協は昭和49年に近隣農協と大合併、小林地区農業協同組合として
なお「農協牛乳」を生産出荷していたが、平成10年代に自家生産・独自銘柄の廃止に至ったようす。北阿萬農協も同時期に自前の市乳事業を辞めてしまったらしい。
(この項下段に続く)