りんご牛乳 特 集 - り ん ご 牛 乳

今や福岡・オーム乳業さんによるオームリンゴが “大牟田のご当地ドリンク” として珍重されるほど製造業者が激減したものの、昭和30年代中期〜40年代中期頃まで、近畿・中国・九州の西日本一帯を中心に、いわゆる 「りんご牛乳」 は同時期に売り出され市民権を得たコーヒー牛乳と並んで一世を風靡する人気を博していた。

多数の乳業や清涼飲料水メーカーが参画しており全容はとても把握し切れないが、本項に掲載の通り大型王冠栓仕様のりんご牛乳専用(ミルクコーヒー兼用)瓶で商われるケースが少なくなかった。リンゴのイラストを大きくあしらったポップなデザインはバラエティに富み、白牛乳の瓶装とは違った賑々しく華やかな一大ジャンルを築いている。

製瓶・流通の最盛期はいずれも昭和40年前後がピークと見られるが、後述の通り複数メーカーを横断する瓶の再利用が行われた結果、その一部は平成19年まで現役のジュース容器として用いられた実績もあるロートル軍団である。


りんご牛乳りんご牛乳 リンゴ牛乳リンゴ牛乳 リンゴミルクリンゴミルク

平和乳業(株)
大阪府大阪市住吉区浜口西1
廃業(S42年頃)
山村硝子製・容量打刻なし

ハタ鉱泉(株)
大阪府大阪市都島区都島北通1-29
該当製品終息
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

桝井食品工業(株)
大阪府大阪市生野区舎利寺町2
該当製品終息
製瓶元不明・容量打刻なし

リンゴミルクリンゴミルク りんご牛乳・ヒノマルコーヒりんご牛乳・ヒノマルコーヒ りんご牛乳・アラビアンコーヒりんご牛乳・アラビアンコーヒ

北川清涼(株)
大阪府大阪市此花区四貫島大通1
廃業/現況不明
新東洋硝子製・180cc底面陰刻

新日本飲料(上田貞一)
大阪府堺市鳳北町3-151
廃業/現況不明
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

太陽乳業
所在不詳
廃業/現況不明
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

フルーツミルクフルーツミルク りんご牛乳りんご牛乳 リンゴ牛乳・コーヒー牛乳リンゴ牛乳・コーヒー牛乳

(有)ツルヤ食料品研究所
兵庫県神戸市兵庫区算所町26
廃業(H19年)
新東洋硝子製・180cc底面陰刻

柳川鉱泉(株)
兵庫県姫路市亀山268
製造撤退(S50年代?)・販社転業
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

井上化学食品工業(株)
岡山県岡山市阿津
廃業/現況不明
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

リンゴ牛乳・ミルクコーヒーリンゴ牛乳・ミルクコーヒー リンゴ牛乳・ミルクコーヒーリンゴ牛乳・ミルクコーヒー リンゴ牛乳・コーヒー牛乳リンゴ牛乳・コーヒー牛乳

大原食品工業(株)
岡山県西大寺市西大寺327
製造撤退(H10年頃?)・販社転業
広島硝子工業製・容量打刻なし

大原食品工業(株)
岡山県西大寺市西大寺327
製造撤退(H10年頃?)・販社転業
広島硝子工業製・180cc底面陽刻

大倉飲料(株)
岡山県・所在不詳
廃業/現況不明
山村硝子製・容量打刻なし

リンゴ牛乳リンゴ牛乳 りんご牛乳りんご牛乳 らくれんりんごらくれんりんご

日本食品工業(株)
岡山県倉敷市昭和町
廃業/現況不明
大和硝子製・容量打刻なし

日本食品工業(株)
岡山県倉敷市昭和町
廃業/現況不明
山村硝子製・180cc底面陽刻

四国乳業(株)
愛媛県温泉郡重信町大字志津川832
該当製品終息
ユニオン硝子工業製・容量打刻なし

◆当時のりんご牛乳ってどんな飲み物?

大半は申し訳程度のりんご果汁に、糖類、香料、脱脂粉乳を加え黄白色に濁ったリンゴ風味のミルクセーキ(乳飲料)のようなもの…だったようだ。

ただ、上掲の一部の瓶には 「清涼飲料水」 と明記されており、こうした場合は乳成分が希薄で限りなくジュースに近い風味であっただろうと思われる。

実際に美味しかったのかどうか知る術はないものの、一過性のブームで終息し国内の市場で淘汰されてしまったラインナップであることを考えれば、まあそれなりの味だった…という想像はできるかも知れない。

付録として、リンゴ牛乳一合瓶シリーズにデザインの似たジュース瓶を右に掲載。こちらは文字通り普通のリンゴジュース200ml瓶。王冠のサイズもビールやコーラと同じ口径の型。

見慣れない異様な形状をしているが、これが手に持ってみると中程のくびれた部分がフィットして実に持ちやすい優れモノだ。

リンゴジュース

◆岡山に惹き寄せられるリンゴびん

本項に掲載した瓶のうち、半分以上は大阪・兵庫のメーカーで使われていたものだが、実際に入手した場所は殆ど全てが岡山県。

廃業/製造中止した事業者の瓶を他の業者が譲り受け再利用が繰り返される、清涼飲料水メーカーでは良く見られる 「助け合い」 の結果、近畿のビン群がごっそり岡山県下の鉱泉所などに引き取られ保管されていたのだ。

例えばネーポンで有名なツルヤ食品さんでは、自社 「フルーツミルク」 瓶の他、往時に譲り受けた上掲の平和乳業や桝井食品の瓶をないまぜで用い、標示上の乖離も意に介さず普通のジュースやぜんざいを詰めて商われていた。

そのような標示上の齟齬を回避するため、再利用時に瓶の印刷を全て(何らかの薬剤で)剥離・洗浄してしまう例がある。結果は無味乾燥なのっぺらぼうの瓶が大量残存…収集家にとっては発狂寸前の悲劇的な出会いだ。

― 謝辞 ―
第2回OMCCの記念として特集致しました


三喜産業(株)
兵庫県神戸市・所在不詳
廃業/現況不明
山村硝子製・200ml側面印刷


漂流乳業