底面に打刻された西暦の4桁から、昭和31年の製瓶である。細口の牛乳瓶は戦前〜前後まで広範に利用されたが、その殆どは王冠/機械栓。一合詰・細口長身・印刷瓶で、かつ小口径の紙栓を採用したタイプは非常に珍しい。
耐久性と洗浄の便、数年後に施行される計量法の改正で現在のような広口(中口)瓶が一気に台頭する過渡期だ。この瓶が製造された当時も既にマイナーな瓶装であったと推測している。
「空きビンは腰掛の下にお置き下さい」
の文言は、駅売りの牛乳瓶ゆえ?列車が戻って来てから座席の下をさらって回収していたのだろう。
長らく出自が不明瞭な瓶であったが、かつて浅草に処理工場を有した業者さんのブランドあることを、大手紙器加工メーカーに保存されていた当時の牛乳キャップなどから確認。昭和30年代極初期の廃業と思われる。